※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
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2018年12月21日号
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あなたの健康づくりをサポートする、ミニ情報をお届け! |
健康ライフ太鼓判! |
おしえてドクター! |
Q・認知症って、手術でよくなりますか?
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●今回のお話は
市立秋田総合病院 脳神経外科 田村 晋也 医師 |
■「特発性正常圧水頭症」とは? |
頭の中には脳脊髄液という水があり、その中に脳が浮いているような構造になっています。脳脊髄液は循環していますが、その循環が滞ると頭の中に脳脊髄液がたまり、水頭症という状態を引き起こします。
水頭症には、くも膜下出血や髄膜炎の後に起こるものもありますが、原因がはっきりしない水頭症で脳脊髄圧が正常範囲内にあるものを「特発性正常圧水頭症」といいます。 特発性正常圧水頭症の症状は認知障害のほか、歩行障害を伴うことがほとんどで、ときに尿失禁を伴います。症状は2〜3年の経過でゆっくり進行することが多く、症状が進行しすぎると治療効果が得られにくくなります。 |
■診断がついた場合の手術は… |
診断にはアルツハイマー病などとの鑑別が必要になるため、頭部のMRIやCTで特徴的な所見の有無を確認することから始まります。検査を希望されるかたは、画像診断を行うことができる脳神経外科・脳神経内科・精神科を受診してください。
なお、診断がついた場合の手術は、全身麻酔下に脳脊髄液を腹腔内へ逃がすチューブを体内に埋め込むシャント術を行うことになり、1週間程度の入院が必要です。 認知症の治療は難しいのが現状です。担当医師の判断で一方的に手術が決定されることはありませんので、気軽に受診してみるのがいいのではないでしょうか。かかりつけの先生がいる場合、まずは相談してみてください。 |
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