※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2019年2月1日号

健康ライフ太鼓判!
あなたの健康づくりをサポートする、ミニ情報をお届け!

おしえてドクター!


Q・以前「潰瘍性大腸炎」と診断されました。その後の進行が心配です
A・腸の粘膜の継続的な炎症には要注意。気になる症状がある場合は、早めの受診を

●今回のお話は
 市立秋田総合病院 脳神経外科 田村 晋也 医師
 

■潰瘍性大腸炎の症状、特徴は? 

 おもな症状は粘血便、下痢、腹痛、発熱などですが、他の人に感染する病気ではありません。
 生まれつきの病気のなりやすさ(遺伝的要因)に、動物性脂肪やタンパク質の多い食事、身体的・精神的ストレスなど(環境的要因)が加わり、20代をピークに発症します。自己免疫性疾患の一つで、ばい菌などに対する免疫の働きが過剰となり、正常な大腸を攻撃し、粘膜に炎症を起こします。一旦、症状がなくなり治ったような状態になっても、食事やストレスにより症状が再び悪くなることを繰り返すことがあります。

■症状が軽くても油断は禁物

 潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症や潰瘍ができる病気ですが、はじめは肛門に近い直腸に炎症が発生し、ひどくなると口側(上の方)へと広がります。発症初期や症状が軽い場合、排便時の出血だけのことも多く、自発的に病院を受診しないため、健康診断の内視鏡検査で診断されることもあります。
 症状が軽く、日常生活に支障がないことも多い病気ですが、頻回(※)に出血することで、貧血が進み輸血が必要になったり、頻回に下痢を起こすことで全身状態が悪化し、入院による治療が必要となることもあります。粘膜の炎症が10年近く継続すると大腸がんの発生率が増えることも分かっています。そのため粘膜の炎症を食事療法や薬物療法で落ち着かせることが必要です。
 潰瘍性大腸炎は、患者数も増加し、珍しい病気ではありません。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談してください。

※=回数が多いこと


©2019秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp