※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2019年2月15日号

ミニ特集

伝える人


始めるきっかけは人それぞれ。
文化、歴史、伝統芸能、
関わりを持つことでさらに興味が湧き
誰かに伝えたいという思いが芽生えます。

その思いを大切に、
自分磨きとして、またライフワークとして、
活動を続けるみなさんにお話を伺いました。

祝福芸を伝える
秋田万歳継承会


◆写真は、1月19日に旧金子家住宅で行われた「春を言祝ぐ祝福芸の鑑賞会〜秋田万歳の風景を読み解く〜」での様子

この日出演した秋田万歳継承会のみなさん。後列右が平川会長

 各家々を訪問し、掛け合い万歳を披露しながら、その家を讃え、家族の長寿を祝う「秋田万歳」は、正月の風物詩として、秋田に根付いた民俗芸能の一つでした。
 太夫と才蔵と呼ばれる二人が繰り広げる秋田弁のやりとりは、ときに軽妙なハーモニーのようにも聞こえ、その場にいる人の気持ちを和ませてくれます。
 披露する演目は儀式万歳、噺万歳を中心に、その内容もバラエティに富んでいて、1月19日の鑑賞会でも、「双六万歳」「御国万歳」「御江戸万歳」などのほか、才蔵の手振り身振りがコミカルな、「つっつく舞」「ばんば舞」が会場の笑いを誘っていました。
 秋田万歳継承会会長の平川金一さんは、「地域が限定されずに、いろいろな場所で喜ばれたのがかつての秋田万歳のいいところだと思います。今こうして継承してきて、若い人には、噺の中に散りばめられた昔話で、地域に関心を持ってもらうきっかけに、また、年配の人には、今も秋田万歳が続けられているということを知ってもらい、当時を懐かしむ機会になってくれたらいいですね」と話してくれました。
 継承会は現在11人で、月2回、明徳地区コミュニティセンターで練習を行っています。興味のあるかたは、平川さんまでご連絡ください。tel(833)3161

古(いにしえ)のロマンを伝える
秋田城跡ボランティアガイドの会


秋田城跡外郭東門

創立20周年記念誌は、秋田城跡歴史資料館、ほくとライブラリー土崎図書館、県立図書館で閲覧できます

案内している様子

記念誌を手にする鈴木会長

 平成10年に発足し、古代秋田城の魅力を伝えてきた「秋田城跡ボランティアガイドの会」が20周年を迎えました。
 「活動が続けられたのも、歴史に興味があり、そして人との会話が好きな会員のみなさんがお互いに支え合ってきたこと、まずはそれに感謝します」と話すのは鈴木要三会長。会員は現在45人ですが、高齢化も否めないことから、「会員数を50人程度で維持しながら、今後も活動を継続していくのが課題」と、20周年の節目に、その歩みをさらに進めるために、しっかりと前を見据えている様子でした。
 そんな鈴木会長に、案内をしていてやりがいを感じるときを伺うと、「私たちの説明で、古代秋田城を頭の中でイメージして、驚いたり、感動したりする表情を見るのが何よりうれしいです」と笑顔で話してくれました。
 史跡案内は4月から11月まで。会員になるには、講座(年2回)の修了が必須です。詳しくは、秋田城跡歴史資料館へお問い合わせください。tel(845)1837

庶民の歴史を伝える
油谷(あぶらや)これくしょん


館内にたたずむ油谷さん

思い出のLPレコードも!

映画がテーマのコーナー

 油谷滿夫さんが収集した民俗資料のうち、約20万点を展示している「油谷これくしょん」。その内容は、江戸時代から昭和にかけてと幅広く、懐かしい貴重な品々が、さまざまなテーマごとに並べられています。
 油谷さんが「誰かが残さないと」という思いを抱いたきっかけは、若い頃目にした使い古しの民具や農具。「新しい道具がどんどん作られる時代だからこそ、昔のモノを大事に残していく必要があるのでは」と感じ、それ以降、収集のジャンルも増えたのだとか。
 集めた品を展示した館内は、例えるなら「モノが心に語りかけてくれる世界。時に自分との対話に、時に友人や家族との思い出話のきっかけにもなるかな」と微笑む油谷さんですが、85歳になる今も、コレクションへの思いは熱く、「決して金勘定では得られない価値あるモノ、私が集めているのは“庶民の歴史”です」と使命感に溢れた一言が印象的でした。

油谷これくしょん(旧金足東小学校)…見学無料
開館時間/午前10時〜午後4時
休館日/月・火曜(祝日の場合は開館します)
*特別整理期間のため、2月28日(木)まで休館中。
◆収蔵品の貸し出しも行っています。詳しくはお問い合わせください。tel(893)4981


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