※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2020年2月21日号

健康ライフ太鼓判


テーマ/小児の肥満

市立秋田総合病院小児科 武田修医師

原因はエネルギー摂取過多と運動不足
 子どもの頃からの肥満は高い確率で大人の肥満に移行し、成人期の動脈硬化性疾患をはじめとする健康障害を引き起こしますが、動脈硬化となる血管の変化は小児期から生じています。このため、小児期からの肥満の予防や治療の意義が重要となっています。
 肥満の原因は、エネルギー摂取過多や運動不足などの生活習慣が考えられますが、食習慣の特徴としては、いつでも食べ物が手に入る環境や食事の欧米化(動物性脂肪の摂り過ぎ)があげられます。また、家庭での孤食(一人での食事)や欠食(特に朝食抜き)が増えており、不規則で偏った食事や間食の増加も過食の原因となっています。
 運動不足の原因は、交通機関の整備、テレビゲーム・携帯ゲームの普及、少子化などがあげられます。少子化で子どもたちが大事にされるなど、屋外で遊ぶ機会も減っています。
食事は三食バランスよく、運動は継続を習慣に
 小児肥満も大人と同様に適切な食事、運動、ライフスタイルの見直しが治療の基本です。食事は三食バランスよくとり、間食やジュースなどは控えましょう。ノンカロリー飲料などに含まれる「アスパルテーム」は、小児期に摂取すると肥満を助長する可能性が指摘されているので注意が必要です。
 運動は少しでもいいので、習慣的に続けましょう。テレビを見たり、ゲームをしたりする時間は運動不足とも関連し、視聴時間が長い子は肥満傾向が強くなりますので、時間制限が大切です。肥満解消には家族の協力が不可欠。本人を含めた家族の意識改革が必要です。
 最後に、体重は決まった時間に毎日はかりましょう(自分の経験でもありますが、太りはじめると体重をはからなくなってしまいます…)。


©2020秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp