※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2020年10月2日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

はぐくまれる潜在能力ポテンシャル〜秋田の米と酒


9月に放映された「わがまち大好き秋田市長です」の収録現場で。
ゲストの柴田さんご夫婦(中央)が丹精込めて育てた野菜を使った料理をおいしくいただきました。左はABSアナウンサーのウーデン・ジェニファーさん

 厳しい残暑も終わり、いつの間にか季節は秋。朝、近所を散歩していたとき、虫の音(ね)も秋の到来を喜んでいるように聞こえました。夏、太陽の日差しで濃い緑に色づいていた稲が、今は秋のやさしい風の中で黄金(こがね)色に実った稲穂をゆっくりと揺らしていました。
 農林水産省が発表した米の作柄概況によると、今年の秋田は、長雨があったにもかかわらず「やや良」の見込みです。作柄にはホッとしている反面、農家に支払われる「生産者概算金」が需要の減少などで、6年ぶりに減額になることなどは気がかりなところです。
 さて、米といえば、県が公募していた秋田米の新品種「秋系821」のネーミングでは、全国からこの種の公募で例がない25万件を超える応募があったそうです。「秋うらら」「あきてらす」「秋の八二一」「稲王」「サキホコレ」「べっぴん小雪」。最終候補の6つの案が発表されましたが、どれも秋田らしく、一つ一つの米粒が甘く輝いているようで、11月に予定されている最終発表が待ち遠しく感じられます。
 米の話になれば、私が次に考えてしまうのはお酒のことになります。食米としての秋田米は、「あきたこまち」など全国的にもブランドが浸透していますが、酒米としては他県の「山田錦」や「五百万石」などの後塵(こうじん)を拝している感じがあり、県ではそれらの人気に負けないオリジナルの酒米の開発をめざしているとのこと。地元紙にも取り上げられていましたが、新品種「一穂積(いちほづみ)」と「百田(ひゃくでん)」です。市内の酒造会社では、昨年すでに両品種を使用した日本酒の醸造販売の実績もあるそうですし、県内ではこの春から本格的な作付けも始まっています。数ある清酒品評会などで秋田の酒の美味(おい)しいことは折り紙付きですが、これに県産の酒米を使った酒が加わることになれば楽しみもまた一つ増えます。
 月明かりに心和(なご)むこの時期。地域によっては、中秋の名月を芋名月、十三夜(じゅうさんや)を栗名月、豆名月とも呼ぶそうです。米や酒、梨やぶどうなどの果物、それに里芋、きのこなど、秋の恵みを数えたらきりがないほどです。新型コロナウイルスの感染拡大などで、人間社会の方は何かと思い通りにならないことも多いのですが、自然は律義に季節を巡らしてくれます。
 夜、仕事帰りなどで澄んだ空にぽっかりと浮かぶ月を見ると、自然に背筋が伸び思わず手を合わせたくなります。人知(じんち)の及ばない神々への感謝の気持ちが自然にわいてきて、コロナ禍の一日も早い収束を祈らずにはいられません。

◆市長の動向などは、市ホームページでお伝えしています。https://www.city.akita.lg.jp
※「わがまち大好き秋田市長です」は、秋田市公式ユーチューブチャンネルでもご覧いただけます。


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