※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2021年2月5日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

ホコ天、バザール、息づく新たなまち


昭和を感じます!かつての広小路歩行者天国(昭和45年)

 厳しい寒波とともに明けた令和3年でしたが、元日の秋田魁新報の一面に、新春にふさわしい期待や懐かしい光景がよみがえったかたも多いのではないでしょうか。
 見出しは「広小路ホコ天に」「9月、全県の物産販売」。秋田商工会議所が中心となり企画され、秋田駅前から中心市街地を貫く広小路を歩行者天国にして工芸品や衣料、雑貨、旬の食材を扱うテントをずらりと並べるというものです。今年は9月開催ですが、いずれは年4回をめざすとのこと。食と芸能大祭典や与次郎駅伝、千秋花火などのイベントと合わせ、にぎわいを定期的・日常的にしてくれるものと期待しています。
 ここのところ、秋田駅周辺は秋田版CCRC拠点施設「クロッセ秋田」や西口駅前の芝生広場の整備、ABS秋田放送の移転、アルヴェの映画館リニューアルなどで、新たなまちの姿が明確に現れてきています。豊かな自然と地域資源という点で、秋田は鮮やかな四季の彩りの中から生まれる食材や花き、伝統的に継承されている技に裏打ちされた工芸品などの宝庫です。新たなまちの姿とあいまって、広小路歩行者天国の復活やバザールのテントの波は、出店する側にしても、まち歩きや買い物を楽しむ市民や観光客にとっても魅力的で、開催が今から楽しみです。
 私が中学・高校生だった頃の広小路は、洋服やレコード店、デパートの食堂や喫茶店など、ワクワク感にあふれていました。休日の楽しみの一つは、新屋駅から国鉄の列車に乗り秋田駅まで行き、お小遣いをポケットに広小路のホコ天を歩くことでした。今でもあちこち眺めながら人の波をかき分けて歩いたことなどが、懐かしくよみがえります。
 最近よく話題になっている「乗り鉄」「撮り鉄」といった鉄道ファンの情熱の域にはとうてい及びませんが、それでも元日の新聞記事から往時の広小路や秋田駅、新屋駅のことなどが思い出されました。鉄道や駅には誰にとっても、そのときどきの心に刻まれる何かがあるのかもしれません。
 さて2月は光の春とも言われ、冷たい風の中にも太陽の光が日に日に強く感じられる季節。そして3月には、秋田駅から北に一つ目の駅としていよいよ泉外旭川駅が誕生します。新駅を起点に新しいまちが形づくられ、さまざまな物語が紡がれていくことでしょう。
 ちなみに新駅から3つ目の追分駅、到着メロディは童謡の「どじょっこふなっこ」です。冬を夜に例え、池の氷も解ける春を待ちわびる、そのうたの誕生が地域や鉄道に関わるといわれています。新型コロナウイルスや豪雪で厳しい冬ですが、春はすぐそこ。健康に留意し乗り越えていきましょう。

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*CCRC=「ContinuingCareRetirementCommunity」の略


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