※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2021年7月2日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

北防波堤でリフレッシュ!

キスにメバル。私としてはまずまずの釣果でした

 梅雨入り前の晴れた日に、秋田港北防波堤で釣りを楽しみました。青空の下さわやかな潮風に吹かれながら周囲を見渡すと、北に男鹿の寒風山や真山、東に太平山の峰々、遠く南には残雪をいだく鳥海山、そして眼前の日本海は小波がキラキラと輝いていました。そこに身を置くだけで、秋田の自然の豊かさや美しさを全身に浴びるような心地よさがありました。
 思えばこの防波堤の一般開放は、20年以上も前、私が県議時代に釣り好きの同僚議員らとともに実現できないか議論を交わしていたことでもありました。すぐに実は結びませんでしたが、秋田港有効利活用協会の佐々木清治副会長((株)釣り東北社会長)など関係者尽力と国や県の協力もあり、昨年8月に“長年の夢”がかなったものです。
 有料の釣り場にも関わらず大変な人気で、この日も早朝というのにすでに多くのファンが釣り糸を垂れていました。各種割引きのパスポートや回数券などもあるそうですが、売れ行きは好調だとのこと。私も早速、佐々木さんのアドバイスを得ながら挑戦したところ、キスやメバルの釣果がありました。当然その日の夕飯はキスの天ぷらです。先ほどまで海を元気に泳いでいた魚をいただくことで命のありがたみに触れ、人間は他の生き物の恩恵を受けて生きているという意味を改めて考えさせられました。
 遠く沖合を新日本海フェリーの白い大きな船体が、次の寄港地をめざしているのが見え、佐々木さんが以前私に話していた“夢の続き”のことを思い出しました。コロナ禍が去ったら、大型クルーズ船のオプショナルツアーに、この防波堤での釣り体験を組み込ませたいというものです。海外からのインバウンドを含むお客さまに釣り道具や救命胴衣など一式を貸し出し、釣り上げた魚を地元のお店で料理してもらい食べる。地酒や山の幸もあれば、それこそ船旅で寄港地秋田の魅力をまるごと堪能できます。それも見たり聞いたりするだけでなく、自らの体験も織り交ぜて。何度思い返してみても、夢のある話だと思います。
 また、アフターコロナを見据えたワーケーションの推進においても、仕事と趣味(釣り)との組み合わせも、大きなセールスポイントになろうかと思います。
 さて、夏に向かって気分も開放的になる季節。私たちも何かと窮屈な思いを余儀なくされていますが、北防波堤の釣りのように、秋田では少し足を伸ばすだけでコロナ禍を忘れて気分をリフレッシュさせることができます。この夏、遠出はもうしばらく我慢して、近場の野に山に海にと出かけてみてはいかがでしょうか。

◆市長の動向などは、市ホームページでお伝えしています。https://www.city.akita.lg.jp
*インバウンド=旅行などで外国人が日本を訪れること
*ワーケーション=「ワーク」と「バケーション」を合わせた造語。働きながら休暇をとる過ごし方のこと


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