※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2021年10月1日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

咲き誇る大輪ー秋田にダリアあり

左が鷲澤さん。
ダリアについて、熱い話が聞けました

 1年前、秋田県出身者としては初めて、菅義偉氏が内閣総理大臣に就任した折、秋田を代表する花は何かと考えて、ダリアをお祝いに贈ったことを思い出しながら、9月上旬、雄和の秋田国際ダリア園を訪れ、久しぶりに鷲澤幸治さんとお話する機会がありました。
 鷲澤さんは、フランスナショナルダリアショーのグランプリや、ジャパンフラワーセレクションで最高賞の日本フラワーオブザイヤーに2度も輝くなど、言うまでもなく国際的なダリアの育種家の第一人者です。「黒蝶」とか「NAMAHAGE(ナマハゲ)」といった品種をみなさんもご覧になったことがあるかと思います。NHKの「プロフェッショナル」という番組に取り上げられたこともありました。
 鷲澤さんと話していると、とにかくダリアに対する愛情の深さとそのこだわりに感心させられます。育種や栽培指導、観光資源と
してのさらなる充実に対する熱意は今も衰えることなく、今年も新たに数百の新品種を生み出したとのこと。また、新しくなった倉庫では、球根の保存には年間を通した温度管理に加え湿度も重要な要素で、床はコンクリートではなく、焼土を打った土間が最適なことを見つけるまでに10年かかったこと、などの話を伺いました。
 6年前になりますが、鷲澤さん、当時JA新あきたの船木耕太郎組合長と、東京都中央卸売市場の大田市場に秋田市産ダリアのトップセールスに出かけたことがありました。秋田の冷涼な気候と花の発色の相性は抜群らしく、どこでも大好評でした。とくに鷲澤さんが一緒にいるだけで用意したダリアはあっという間に売り切れ、改めて「鷲澤ブランド」の威力に恐れ入った次第でした。
 実は、鷲澤さんとは不思議な縁があります。私の祖父はダリア栽培を趣味とし、秋田では草分け的な存在で愛好者が集ったダリアの会の初代代表でした。そして今は何代かを経て鷲澤さんがその役割を担っています。小学生のとき、参観日に合わせ、祖父が私に大輪のダリアを持たせてくれたこともありました。母もそんな祖父の姿を見ていたせいかダリアが好きで、ときどきダリアの観賞に連れて行ってくれたことなどを、2人の面影とともに思い出します。
 先日訪ねたときに、園内を散策していたかたが、「目の保養になる」などと話しかけてくれたことが印象的でした。ダリアは開花期が9月末から11月にかけてと比較的長期間楽しめる花ですが、中でもおすすめの時期は10月上旬とのこと。澄みわたる秋空のもと、7百品種、7千株、7万本が咲き誇る壮観と、花一輪一輪ごとの美しさにぜひ酔いしれてみてはいかがでしょうか。

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