※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2022年7月1日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

ミルハス花開く


ミルハス開館記念式典(6月5日)
 県の新型コロナウイルスの感染警戒レベルが、下から2番目の1に引き下げられ、ようやくほとんどの社会経済活動が可能になり、最近は祭りの開催など多くの場面で「3年ぶり」という言葉を聞くようになりました。
 5月28・29日に開催された「東北絆まつり秋田」では、県内外から11万人ものお客さまを迎えることができました。竿燈など東北を代表する祭りが揃った28日夕方のパレードは、雨模様の肌寒い中にもかかわらず多くの観客が席を立たず最後まで観覧してくれました。それだけこの日を待ち望んでくれていたのかと思い、胸が熱くなりました。翌日はうって変わり晴天に恵まれ、多彩な祭りやイベントが会場を盛り上げ、東北の夏の到来を感じさせる1日でした。
 それから日も浅い6月5日には、あきた芸術劇場ミルハスの開館という待望の出来事がありました。優れた機能を有する大中のホールなどについては、他の機会に譲り自分なりの思いを述べたいと思います。
 一つは、全館を通して秋田の自然や風土・歴史・伝統・文化のエッセンスがちりばめられているということです。特に、自然光が降り注ぐエントランスロビーを抜けた先で出迎えてくれる総合案内は圧巻です。樺細工・川連漆器・大館曲げわっぱを組み合わせ千秋公園の桜を表現しており、これだけで秋田を満喫した気分になります。ほかにもいたるところで秋田杉がふんだんに使われ、組子細工は多様な組み合わせで木材の美しさを表現しています。一つ一つがそれぞれ作品であり、私にとってはミルハスはさながら「ミニ秋田伝統工芸博物館」のように映ります。
 二つ目は周囲との見事な一体感です。元々、千秋美術館から県立美術館・なかいち・文化創造館・明徳館・佐竹史料館そして千秋公園に至るエリアを芸術文化ゾーンとして構想したものですが、実際にミルハスに身を置いてみると、改めてゾーンとして実感します。例えば4階の眺望ロビーからは中心市街地を見渡すことができ、普段見慣れているまち並みとはまた違う表情が見てとれます。東側のホワイエでは、中土橋からお堀を望む開放感の中、千秋公園から降り注ぐ新緑のシャワーを浴びているようで、思わず深呼吸しそうになります。新緑から深緑へ、紅葉から雪景色へと季節が巡っていくと思うと、何だか幸せな気分に浸ってきます。
 あともう一点お伝えしたいことは、コンサートや発表会などの特別な時だけでなく、ロビーやテラスなどは、待ち合わせや散歩の休憩などにもぜひおすすめです。お弁当やおやつを携えて立ち寄ってみてもいいですね。

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