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2022年12月2日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

洋上風力発電と令和4年

秋田港の風力発電
 赤や黄色など色とりどりの葉っぱたちが街を鮮やかに彩ってくれた景色も今は葉を落とし、やがて白く染まる雪景色への準備をしているように映ります。今年も残りわずかとなり、本格的な冬への覚悟と新年を迎える心構えを、私たちに求めているように感じます。
 さて晩秋から初冬にさしかかるこの時期は、東京で秋田市在京経済人交流懇談会を開催する季節にあたります。本市出身であったり、誘致企業や転勤などで本市と深い絆を有する経済人との懇談会で、これまでも会場が熱気にあふれることが多かったのですが、今年は3年ぶりの開催となり、例年以上に盛大で実りのある交流ができたと思います。
 懇談会では、59年ぶりに国内新規支店を開設した日本郵船(株)代表取締役社長の長澤仁志さんからご講演いただきました。洋上風力発電関連などの事業を通じて、作業員輸送船や地質調査船の配備にとどまらず、広く環境保全や観光振興、地方創生、そして人材育成への意気込みなどを語ってくれました。本市観光クチコミ大使でもある読売新聞特別編集委員の橋本五郎さんからは、オール秋田で人口減少に打ち勝ってほしい、首都圏の秋田人も大いに応援する、との力強いエールを送られました。
 また、本市出身で秋田工業高校から同志社大学、サントリーで活躍し、このほど日本ラグビー協会会長に就任した土田雅人サントリー(株)専務執行役員も出席し、同じくラガーマンだった進藤孝生日本製鉄(株)代表取締役会長や三浦廣巳前秋田商工会議所会頭も加わり、ビジネスだけではなくラグビー談義にも花を咲かせていました。このような懇談会の場合、多くはお開きの時間を察知し三々五々席を立つことが多いのですが、このときは話が途切れることなく、わざわざ閉会時間を延長するほど盛り上がりました。おそらく洋上風力関連で三菱商事も国内支店として35年ぶりに秋田支店を開設するなど、夢から計画に一歩一歩前に進み、具体的に一つ一つ実績が積み重ねられ、さらに期待が高まっていることを如実に示しているのではないかと思います。
 130年以上前の明治21年から20年ほど、日本郵船土崎支店が置かれていました。当時の取り扱い貨物は米や砂糖、阿仁鉱山の銅などです。これだけでも時代の流れを感じますが、大量輸送は北前船から日本郵船の汽船へ、そして鉄道に代わり、やがて大型自動車も登場します。そうした意味では、令和4年は石炭・石油の火力発電から、風力発電などの自然再生エネルギーへの大きな時代の転換期にあったとして、後年位置づけされる年ではないでしょうか。
 いよいよ暮れも押し迫ってまいります。皆さん健やかによいお年をお迎えください。

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