※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2023年3月3日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

ポート・オブ・ザ・イヤー2022

1月26日の「ポート・オブ・ザ・イヤー2022表彰式」
 秋田港が「ポート・オブ・ザ・イヤー2022」に選ばれ、1月26日、東京で開催された表彰式に参列してきました。これは、公益社団法人日本港湾協会が、港湾や臨海地域の活性化に寄与し、最も「みなとの元気」を高めたとされる港湾を表彰するもので、投票により栄誉に浴すことができました。
 風況に恵まれていることに加え地元の素早い取り組みもあり、秋田県沿岸では現在、洋上風力発電の導入が全国トップクラスで進んでいます。発電設備の設置や維持管理に利用される港湾は、大型の資機材を扱うことのできる岸壁と資機材の保管や組み立てが可能な荷さばき地が必要とされます。このため、国から洋上風力発電のための基地港湾に指定されているのは、能代港や茨城県の鹿島港、北九州港と秋田港の4港しかありません。中でも秋田港は、荷さばき地などが最も早く完成し、すでに活用されています。こうしたことが表彰につながったものと考えています。また、港湾区域内では、商業用としては国内初となる大規模洋上風力発電施設13基が運転を始めていますし、一般海域において、「男鹿市、潟上市および秋田市沖」は、昨年9月に「促進区域」に選定され、現在、発電事業者の公募中でもあります。
 新型コロナウイルスの関係でしばらく中止を余儀なくされていた国際クルーズ船ですが、今年は過去最多の20回の寄港が予定され、早速今月の22日には3年5か月ぶりにアザマラ・クエスト号が入港します。過去には大きな経済効果と国際観光への機運の醸成が認められており、今後インバウンド需要の大きな回復を期待しています。
 さらには、秋田港は地理的・地形的に魚種の多さに恵まれているうえ、市街地からも近いため、釣りを楽しむ絶好のスポットとして人気を博しています。平成31年には国の「釣り文化振興モデル港」に指定されており、全長約800メートルの北防波堤は一般にも開放され、安心して釣りを楽しめる港として市民や観光客からも好評です。
 歴史的にも秋田港は、室町時代の我が国最古の海洋法規とされる「廻船式目(かいせんしきもく)」で国の10大港湾である「三津七湊(さんしんしちそう)」に数えられる古くからの海運交通の要衝です。江戸後期の北前船の繁栄と隆盛は、秋田の歴史の輝きそのものです。
 定期フェリー航路の拠点港であり、高度なクレーン設備やコンテナヤードを備え、定期コンテナ航路を有するなど、秋田港の魅力は枚挙にいとまがないほどです。このたびの表彰は、歴史の重みに新たな取り組み、そして市民の思いを乗せた港の総合力が評価されたと考えています。
 こうしたことに思いを馳(は)せながら春の港を散歩してみてください。弥生3月の風を受けて、波の光が一層輝きを増してみえるのではないでしょうか。

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