※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2024年5月3日号

市長コラム


秋田市長 穂積 志(もとむ)

視線の先に〜歴史と文化と


早く満開のハスに囲まれてみたいですね♪

 歴史を重ね日々進化してきたまち秋田市。中でも千秋公園を中心とする一帯は、本市の歴史や文化が凝縮された芸術文化ゾーンと呼ぶにふさわしい地域です。その一帯がさらににぎわいを増し、新たな歴史を紡(つむ)ごうとしています。
 まずはハスの開花時期に合わせ7月に開通予定の大手門お堀の遊歩道。今のままでも広小路の歩道や中土橋から景観を楽しむことができますが、散策しながらもっと間近にハスに囲まれたいという声に応えスペースを創出します。ルートについては、直線的な一本道にせずあえてジグザグの折れ曲がりにすることで、自然に視線の先に鮮やかなハスのピンクや久保田城の歴史を感じさせる土塁などが目に入るような設計になっています。また適度なジグザグは、人だまりにもなり歩行者のリズムも生まれてくると思います。一方、あきた芸術劇場ミルハスの窓ガラス越しに見下ろす視線の先には遊歩道と大輪のハスの花が広がり、まさに「見るハス」です。
 老朽化が進み現在建て替え中の佐竹史料館は、来年10月のリニューアルオープンの見込みです。千秋公園は、土塁や堀などの城跡としての遺構に加え、数々の近代公園設計の先駆者長岡安平の設計による市の文化財に指定されている名園であり、それ自体が貴重な文化遺産、自然遺産です。園内には市内一円を展望できる御隅櫓や唯一の現存建造物である御物頭御番所(おものがしらごばんしょ)、歴史と伝説に彩られた著名な神社なども多く、私は佐竹史料館にこれらのガイダンス機能を持たせることで、ゾーン全体の魅力を高めていけると考えています。規模的にも展示スペースは以前に比べて2.5倍、延べ床面積は4倍以上になり、余裕のあるスペースで内容の充実を図るほか、設計面でも大型の庇(ひさし)の上に設けた開放感たっぷりの屋上テラスからは、視線の先に表門や二の丸広場など四季折々の園内を見渡すことができるかと思います。
 建物外観が中心市街地のシンボルとして親しまれる文化創造館(旧県立美術館)は、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選ばれ、2月には選定記念プレートの贈呈式がありました。画家藤田嗣治(つ ぐはる)と美術品収集家の平野政吉の友情が生んだ大作「秋田の行事」が、長年展示されていた建物です。採光のための丸窓や天井に曲げわっぱの表現があるなど、近代建築に地域性が融合していることや、芸術文化ゾーンの中核的な存在でもあることが評価されたものです。
 楽しみはまだあります。いよいよ6月には大規模改修中だった千秋美術館がオープンの予定です。“千”の字をモチーフに「人、物、こと」の交流を表現したロゴマークも決まりました。コロナの影響で美術館から足が遠のいたかたもいるかと思いますが、ぜひ足を運んでみて欲しいと思います。
 このように魅力と話題満載の本市の顔はますます輝きを増し続けています。

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