※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2024年7月5日号

市長コラム


秋田市長 穂積 志(もとむ)

秋田を盛り立てる若者たち

「久しぶりに、帰ることにした。 AKITA CITY PROMOTION」の 一場面。動画は秋田市公式ユーチューブで見ることができます


 先月12日、東京都内で開かれた国際映画祭の表彰式に出席してきました。米国アカデミー賞公認のアジア最大級の「ショートフィルムフェスティバル&アジア」の第13回観光映像大賞での表彰です。最終候補5作品に秋田市のPR動画「久しぶりに、帰ることにした。AKITA CITY PROMOTION(アキタシティープロモーション)」がノミネートされたもので、惜しくも大賞は逃しましたが、素晴らしい出来映えにとても満足しています。
 動画は都会に暮らす秋田市出身の女性が、時間に追い立てられながら人波をかき分けて生活を続ける中で、故郷から届く段ボール箱を開けるところから始まります。久しぶりに秋田へ帰ることにし、新幹線こまちや秋田中央交通のバスを乗り継ぎ実家に着きます。数日を過ごし、家族手作りの弁当を手に、また都会に戻るまでが淡々と描写されています。端的に内容を伝えると、段ボール箱同様、とにかく秋田市が満載、詰まっていると言ってもいいかと思います。
 それにしても動画が秘める豊かな表現力には胸を打たれます。映像と音声が秋田の原風景を呼び起こし、木や森から吹く風やまちの香り、食事の懐かしい味までがよみがえるようです。ラストシーンでは、きれいに片付いた都会の部屋が、「ここも君の居場所だよ」と語りかけているようです。直接的に「秋田に帰っておいで」とは言いません。押しつけないところに、この動画の奥ゆかしさや懐(ふところ)の深さを感じます。
 映像に竿燈まつりも登場します。ノミネートされた作品の中には福島県浜通り地方の作品もあったことから、表彰式に参列中、東日本大震災後の六魂祭(ろっこんさい)や各地で灯(とも)った竿燈の灯(ひ)が、被災されたかたがたの心に「希望の光」として映ったことなども思い出し、私自身感無量でした。
 この作品は市内にある映像制作会社アウトクロップの制作によるものです。この動画の栗原エミルプロデューサー(27歳)は同社の社長で、松本トラヴィス監督(26歳)は同社の副社長です。松本さんによれば、自分の身近な人との会話で得た実話をもとに組み立てたそうです。また、劇中を通して流れる「たづな」という曲は、本市を拠点に音楽活動を行っている黒崎平さん(26歳)によるものです。実は現在本市在住のこの3人には大きな共通点があります。秋田県外の出身で国際教養大学の卒業生ということです。元々秋田とは縁もゆかりもない彼らがこんなに秋田を盛り立ててくれています。
 ほかにも、秋田ノーザンハピネッツの水野勇気社長やブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介社長も県外の出身です。多くの県外出身の若者が秋田のために決断し起業し、頑張ってくれていることに思いを致せば、おのずと私たちも彼らの背中を後押ししたくなります。

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