※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2024年11月1日号

市長コラム


秋田市長 穂積 志(もとむ)

総理大臣表彰! われらが秋田市消防団

今年7月に行った秋田市消防操法大会にて。地域の消防団が日頃の訓練の成果を競い合いました
 この秋の行楽シーズン、何度かあった3連休もおおむね穏やかな好天に恵まれ、季節を存分に楽しまれたかたも多かったのではないでしょうか。ただ一方では気候変動による災害列島といわれる昨今、豪雨や台風の直撃を受けた被災地では今なお避難所生活を余儀なくされていることも事実です。
 そんな中、先般うれしいニュースがありました。昨年7月の豪雨災害での活動が認められ、秋田市消防団が今年の防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました。9月13日に表彰式が総理官邸で行われ、同20日には倉田芳浩団長と佐々木徹副団長が市役所に報告に来てくれました。
 国土交通省の推薦要旨は、豪雨の期間、人的被害などを最小限にとどめたのは、昼夜を問わず市内全域で河川の警戒巡視や土のう積み、排水活動、住民の避難誘導、ボートによる人命救助などを適切に実施した結果であり、その功績は極めて顕著である、とのことでした。私としても災害時に即時・的確に対応するためには、常備消防に加え、日頃から最前線で活動し、地理や家族構成など、地域の実情に詳しい団員のかたがたの協力が不可欠だということを改めて痛感しました。
 さて消防団に関して私の胸に深く残っている出来事があります。以前に東北市長会が福島県相馬市で開催された際、東日本大震災消防団員顕彰碑を訪れ手を合わせてきたときのことです。これには、津波に襲われながらも最後まで市民を避難誘導し殉職した10人の消防団員の氏名と年齢、そして碑文が刻まれていました。全員が30代40代で、皆それぞれに仕事を頑張り家族を愛し希望にあふれた将来があっただろうと思うと、その無念さに胸が押しつぶされそうでした。碑文をご紹介します(抜粋)。

団員ハ能(ヨ)ク其ノ職務ヲ遂行シ
津波被災人口五千四百余ノ内
九割ヲ誘導セシム
団員ラノ懸命ナル救難ナカリセバ
更ニ被害甚大ナルベシ
市民一同痛惜ノ念断腸ノ如(ゴト)シ
相馬市ハ勇気ト郷土愛ヲ称(タタ)エ
永久ニ顕彰スルモノナリ


 格調がありジーンと胸を打つ文章に、相馬市民の感謝と敬意と、未来に向けて忘れてはならない、という決意を感じます。実際に相馬市では殉職した団員の子どもたちの教育について、学力向上のためのお手伝いや支援金、奨学金などの補助制度なども講じているとのことでした。
 余談ですが、実は私もかつて新屋分団に所属し夜回りや水防訓練に参加していました。実際の火災現場にも何回か出動しています。“火事場の馬鹿力“という言葉がありますが、よくもあの重い器具やホースを持てたものだと、後から振り返ったこともありました。
 季節は晩秋から初冬へ、そろそろ冬支度を考える時期になります。火の元には充分に注意され、しっかりと寒さ対策をしたうえでみなさん健康にお過ごしください。

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