※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
|
2025年3月7日号
|
市長コラム |
![]() |
秋田市長 ● 穂積 志(もとむ) |
秋田の冬が醸(かも)し出すもの |
||
|
今年は例年並みに雪も降り、それなりに寒さや強風も吹き荒れた秋田らしい冬景色だったように思います。とかく気候としては厳しさが強調されがちですが、一方で冬の厳しさが醸し出す豊かな食文化や地域の行事には、感謝することもたびたびです。
秋田県がJR東日本の重点販売地域に指定され、県が大型観光キャンペーンを展開することにあわせて、本市も「酒と発酵」をテーマに1月18日と2月8日の土曜日「SAKEと発酵市 in 秋田市」を開催しました。メイン会場の文化創造館では、県内35の日本酒や地ビールの酒蔵が参加する飲み比べ体験が行われるなど、大変な盛り上がりをみせ、私も大いに楽しむことができました。また、発酵食作りのワークショップでは、来場者が麹(こうじ)で野菜の三五八(さごはち)漬けに挑み、慣れない手つきで真剣に向きあっている姿が印象的でした。屋外の庭園では、多くの市内飲食店の協力を得て「秋田かやき祭り」が開かれ、うまそうな香りと湯気と来場者の笑顔が、食材の豊かさを物語っていたように思います。 このイベントのもう一つの魅力は各サテライト会場での多彩な催しです。民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)では、正月らしい伝統芸能である秋田万歳や竿燈の演技、赤れんが郷土館では新屋ガラス工房の酒器販売、旧松倉家住宅では甘酒や麹味噌を使った豚汁の振る舞いもありました。 発酵食品には、腸内環境を整えたり代謝を促し身体を温めたりする効果があると言われています。現在本市では自然に歩きたくなる「ウォーカブルなまちづくり」を進めていますが、閉じこもりがちになる季節にはもってこいの、楽しく身も心も温まる周遊コースになったのではないでしょうか。 一方この時季は市内のいたるところで冬まつりや小正月行事も盛んです。私の地元新屋地区でも、1月25日、第20回あらや大川散歩道雪まつりがありました。夕方、ミニかまくらの中のろうそくに火が灯ると、一帯は一気に幻想的な光に包まれ、いっとき現実を忘れてしまいそうな雪国のロマンに浸(ひた)ることができました。各町内会や秋田公立美術大学など多くのかたがたの協力を得て開催されているもので、家内安全を願う地域の小正月行事「やまはげ」の登場もありましたが、扮したのは新屋高校の生徒だったそうです。これに限らず市内各地域の貴重な伝統芸能や祭り、行事を守っていくことの大切さを改めて痛感します。 さて弥生3月、桜は養分を十分に蓄え春の開花に向けしっかりと準備を整えていることでしょう。私たち人間社会の方も、新入学や就職、卒業、定年退職など、大きな節目のときです。これまでの努力が花を咲かせ、しっかりと実を結ぶよう精進していきたいものです。 |
◆市長の動向などは、市ホームページでお伝えしています。https://www.city.akita.lg.jp |
![]() |
©2025秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved. |