※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2025年12月5日号

市長コラム

あなたと一緒に 秋田市長です



沼谷 純
だかつてないクマの出没と人身被害が発生している本年ですが、その根本的な解決には国として中長期の対策や研究が不可欠です。しかし、目下(もっか)、市民のみなさまの暮らしや生命が脅(おびや)かされる事態であり、加えて経済や消費、観光など多方面への多大な影響も踏まえ、強い危機感のもと市を挙げてクマ対策に取り組んでいるところです。
 自衛隊や警察の支援があっても、現状、駆除などの現場に向き合っていただけるのは猟友会のみなさんです。本市では、猟友会の出動報酬を倍増し、県内市町村としては初めてクマ捕獲に対する報奨金制度を創設しました。また、災害級の事態であると判断し、私が本部長となる危機管理対策本部を立ち上げ、職員によるパトロールや情報共有などのほか、迅速な駆除のため緊急銃猟の権限を現場の職員に委任しています。保護者のみなさまにはご負担をおかけしていますが、児童・生徒の送迎の推奨や学校側の体制確保などにも取り組んできました。
 本稿を書いている11月19日現在、クマの駆除頭数は一昨年を大きく上回る198頭、山中での狩猟捕獲数も一昨年を大きく上回る見込みです。徹底したクマ対策を行うという私の意思に対し、SNS上などでさまざまな声もありますが、市長として、市民の生命と暮らしを守ることが最優先ですので、この冬、人間とクマとの境界線を山に押し戻す取り組みを行っていきます。また、経済や観光への悪影響を払拭(ふっしょく)すべく、その対策にも取り組むこととしています。
 やるべきことは山積みで、完全な対策と言えないことも多々ありますが、全力で取り組んでまいりますので市民のみなさまのご理解とご協力をお願いいたします。

*市長コラムは、広報あきた第1金曜号に掲載します。

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