※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2019年12月6日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

令和〜時代の節目を振り返る

ドイツ・パッサウで行われた、姉妹都市
提携35周年記念式典で

 師走となり、今年も残すところあとわずか。新聞やテレビでも連日のように今年の10大ニュースが話題となる季節になりました。
 何といっても令和の時代の到来は大きな節目。引用された万葉集の一節から、梅の香(かおり)が漂ってきそうな「令和」という言葉の響きは、昭和と平成をそれぞれ約30年生きてきた私にとっても、感慨深いものがありました。
 9月に開催された「全国豊かな海づくり大会」では、来秋された天皇・皇后両陛下から多くの県民が元気をいただきました。皇后雅子さまの優しく自然な笑顔には心から幸福な気持ちに包まれます。式典の際、両陛下から手渡されたハタハタの稚魚が、先般男鹿沖に放流されたそうです。豊かな森林の養分を十分に湛えた秋田の海が、小さな命を大きく育ててくれることを祈っています。
 さて、今年の年明けから順に穏やかな気持ちで1年を振り返りたいところですが、それまでの出来事がかすんでしまったのが、9月・10月に立て続けに日本列島を襲った災害です。台風15号による暴風は千葉県などに多くの住宅被害をもたらし、さらに台風19号の被害は大規模災害復興法に基づき、熊本地震以来2件目となる「非常災害」に指定されました。長野・神奈川・福島・宮城など10を超す都府県で90 人以上のかたがお亡くなりになり、河川の決壊・住宅の損壊などが確認されています。寒さ厳しくなる折、まだ多くのかたがたが仮設住宅などでの生活を余儀なくされていることには本当に心が痛みます。
 先頃発表された新語・流行語大賞候補には、世相を反映するとはいえ災害関係で「命を守る行動を」「計画運休」と名を連ねてしまいましたが、一方同じく大賞候補に、ラグビーワールドカップでの日本代表チームの大活躍もあり「ONE TEAM」や「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」「にわかファン」なども選ばれました。秋田市で事前合宿したフィジー共和国代表の健闘もあり、また「外国チームのお辞儀」や「災害地でのボランティア」など心温まる交流を通して、日本中そしてここ秋田にも、感動の輪が広がりました。
 10月、姉妹都市提携35周年を記念し市民合唱団をはじめとした市民訪問団とともにドイツ・パッサウ市を訪れました。世界最大級のパイプオルガンがある聖シュテファン大聖堂に響きわたる荘厳(そうごん)なオルガンの音色と両市の合唱団の高らかな歌声に大きな感動を覚えると同時に、私には来き たる令和2年の明るい幕開けを告げる希望に満ちた調べのようにも響きました。
 それではみなさん、風邪などひかぬよう健康には十分ご留意のうえお過ごしください。明年もどうぞよろしくお願いいたします。

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