※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2021年4月1日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

ウクライナに平和を


平和への願いを込めて…
 市長に就任して以来、このコラムで政治的主張を含む事柄については極力ふれないことにしていましたが、今回はご容赦願いたいと思います。
 主権国家に対する軍事侵攻によって、今このときにも病院や集合住宅などで銃声が響きわたっています。2月24日に始まった、ロシアによるウクライナへの攻撃です。この侵攻開始からすでに、民間人を含む多数の死傷者が確認され、国連難民高等弁務官事務所によると、ひと月も経たない3月中旬で280万を超す人々が国外に避難しているとのことでした。
 この稿を起こしている現在、連日のように、胸がしめつけられるニュースを目にします。中でも心が痛むのは逃げ惑う女性や子どもの姿、さらには、愛する家族と引き裂かれ、泣きながら避難を急ぐ子どもの怯(おび)えた姿には自然と涙がにじんできます。
 ロシアによる爆撃によって病院に運ばれて救命処置を受ける子どもと、必死になって子どもの命を救わんと医療行為を施す病院スタッフの映像、「この姿をプーチンに見せてやれ」。怒りを込めて語っていた医師の言葉は、このたびの侵攻の不条理と、非情・非人道を何よりも雄弁に物語っていたように思います。
 3月8日、秋田市議会は「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を非難する決議」で、国連憲章の重大な違反で国際秩序の根幹を揺るがすもので断じて容認できない、と侵攻の即時停止と無条件の撤退を強く求めています。秋田市は昭和59年に市議会が非核平和都市宣言を決議した都市でもあり、一般市民が戦闘の犠牲になることは決して受け入れられるものではありません。
 今年は、ロシアの沿海地方ウラジオストク市との姉妹都市提携30周年にあたります。今後も、市民同士の“交流なくして友好なし、友好なくして平和なし”という考え方を基本としつつも、場合によっては見直しを考えざるを得ない状況といえます。
 国内でも、侵攻開始早々から、国民一人一人がウクライナ国民を支援するための寄付や募金活動などもさまざまな形で行われており、平和を願う世論のベクトルは一致しているといえるでしょう。
 本市にはウクライナ出身のかたもお住まいです。現地からの避難や移住の希望があれば、本市としても住宅や就労、就学を含め最大限の支援を惜しみません。ウクライナ国民の命を守るためにできることは何か。そして、自由・人権・民主主義を守るためになすべき事は何か、私たち一人一人に投げかけられていることは確かです。

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