第1章 計画の基本的な考え方

健康あきた市21


最終更新 2003.12.09


第1節 計画策定の趣旨

 近年の生活水準の向上や医学・医療の進歩等により、国民の平均寿命は飛躍的に伸びています。
 日本人の寿命が戦後急速に延びた背景には、「感染症」などの急性期疾患が激減したことがあげられますが、その一方でがん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの「生活習慣病」が増加しています。さらに高齢化に伴う障害も増加しており、治療だけでなく、予防においても「日常生活の質」の維持が重要な課題となっています。
 生活習慣病は身体の機能や生活の質(QOL=Quality of life)を低下させる原因となるだけでなく、生命をも脅かしますが、これらの疾患は、健康に対する自覚と関心を高めるとともに、正しい知識のもとに普段からの生活習慣(食生活、身体活動、休養、喫煙、飲酒等)を変えることによって、かなりの部分で発症を予防することができます。
 すべての市民が元気でいきいきと暮らせるようにするためには、これまでの疾病の早期発見、早期治療という「二次予防」にとどまることなく、一人ひとりの日ごろからの生活習慣の改善や健康づくり運動の実践など、健康増進と発病予防という「一次予防」に重点を置いた新たな健康づくり対策の推進が必要となっています。
 そこで「健康あきた市21」では、生活習慣の改善に重要な栄養・食生活、身体活動などの「重点分野」、また、「ライフステージ(人生の各年代)」に応じた健康づくりの目標を設定し、個人の力と社会の力をあわせて、市民の健康づくりを総合的かつ効果的に推進していきます。

第2節 計画の目的

 この計画は、第10次秋田市総合計画の「しあわせ実感 緑の健康文化都市」という基本理念のうち、「市民の健康」を実現させるための「行動計画」です。
 市民一人ひとりが安心して健康に過ごすことができ、支え合い、助け合える地域社会とするために、市民と協働による健康づくり運動を推進し、生活習慣病などによる働きざかりの人の死亡を減少させ(壮年期死亡の減少)、健康で元気に生活できる期間を伸ばし(健康寿命の延伸)、生活の質の向上をはかること(QOLの向上)を目的とします。

第3節 計画策定の基本的な方針

(1)「一次予防」の重視

 これから迎える超高齢社会に向け、高齢になってもいきいきと暮らすため、これまでの病気の早期発見や早期治療といった「二次予防」にとどまることなく、日常の生活習慣を改善して病気を予防する「一次予防」を重視します。

(2)目標値の設定と評価

 健康づくり運動を効果的に推進するため、生活習慣改善のための重要な課題等について可能な限り科学的・疫学的根拠に基づく目標を設定するとともに、計画の進捗度や達成状況を評価するための体制整備をはかります。
 また、目標を達成するために行う様々な活動の効果を適切に評価し、その後の健康づくり運動に反映させていきます。

(3)健康づくりのための環境整備

 健康づくりは市民一人ひとりが取り組むことが基本ですが、個人の主体的な取り組みを社会全体で支援するための環境整備が不可欠です。行政をはじめ保健・医療関係団体、マスメディア、企業等の協力・連携のもと個人の取り組みを積極的に支援する体制を整備します。

第4節 計画の性格と位置づけ

 この計画は、国が「21世紀における国民健康づくり運動」として策定した「健康日本21」の地方計画です。
 また、「第10次秋田市総合計画」および「けやきのまちのしあわせプラン(秋田市保健福祉長期計画)」の実行計画として位置づけ、本市の「健康づくりマスタープラン」として、市民の健康に関する基本計画および執行的な行動計画の両側面を持ち合わせた計画とします。

計画の性格と位置づけ

第5節 計画の期間

 この計画における運動期間は、平成15年度から平成22年度までの8カ年計画とします。また、平成19年度の中間評価には目標の達成状況の検証を行い、必要に応じて計画目標の追加や見直しを行います。

平成15年度 ・ 平成19年度 ・ 平成22年度
計画推進の開始年度 計画の中間評価 計画の最終評価

【参考】

1 生活習慣病

 これまで「加齢」という要素に着目して用いられてきた「成人病」を生活習慣という要素に着目して捉え直し、再定義された概念です。
 「生活習慣病」(Life-style related diseases)の定義は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と規定され、糖尿病、肥満、高脂血症、循環器病、大腸がん、高血圧症、肺扁平上皮がん、慢性気管支炎、肺気腫、アルコール性肝障害、歯周病、骨粗鬆症などが含まれるとされています。

2 疾病予防の概念

 適正な食事や運動不足の解消、禁煙や節酒、ストレスコントロールといった健康的な生活習慣づくりの取り組み(健康教育、保健指導等)や、予防接種、環境改善、外傷の防止など疾病の発生そのものを予防することをいいます。

 老人保健事業による基本健康診査や各種がん検診、人間ドックなど疾病の早期発見と早期治療によって疾病が進行しないうちに治してしまうことをいいます。

 リハビリテーションによる機能回復など、適切な治療による疾病や障害の進行防止をいいます。

3 超高齢社会

 WHO(世界保健機構)では、全人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が7%を超えた時を「高齢化社会」、14%を超えた時「高齢社会」とし、さらに25%を超えた時を「超高齢化会」としています。秋田市の平成14年10月1日現在の高齢化率は18.9%となっています。


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