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第7節 医療・救急体制の充実
  第3章 「安心して健康にすごす助け合いのまち」づくり
 

第7節 医療・救急体制の充実


現状と課題


 医療環境が大きく変化する中、これからは長寿社会への対応と地域医療機関相互の連携をはかっていく必要があります。
 市立病院については、安全で良質な医療を提供するため、救急体制の充実と入院機能の強化につとめてきましたが、医療制度改革の実施などにより、経営環境が著しく変化しており、引き続き経営の健全化をはかっていく必要があります。
 救急については、近年急激に出動件数が増加していることから、車両の整備等救急業務の高度化をさらに推進するとともに、医療機関との連携および市民に対する応急手当法の普及・啓発等、新たな高度救急医療体制を構築する必要があります。
 また、夜間休日応急診療所(注1)については、医療機関の救急外来の整備に伴い、外科・内科の利用者が減少しており、運営の見直しが必要となっています。

基本方針


 医療技術の進歩に対応した医療の供給をめざし、市立病院については、市民の命を守り、健康な生活を支える総合的・中核的な医療機関として、医療スタッフおよび医療機器の充実をはかるとともに、引き続き経営の改善につとめます。
 救急については、救急需要が年々増加する中、市民の救急業務に対する期待と信頼に的確に応えるため、救急救命士(注2)の養成や車両の整備など、さらなる救急業務の高度化をはかりながら、市民に対する心肺蘇生法(注3)など応急手当方法の普及・啓発等につとめるとともに、メディカルコントロール体制(注4)の強化をはかります。
 夜間休日応急診療所については、その運営体制について検討します。

主な施策

1 市立病院医療体制の充実

 市民病院として安全で良質な医療を提供するため、医療スタッフの充実と医療機器の整備をはかります。また、地域の中核病院として他の医療機関との連携や機能分担をはかり、高度医療の充実につとめます。

2 市立病院経営の安定

 病床利用率の向上や経費の見直しによって、収益性の向上をはかり、安定経営につとめます。 

3 市立病院医療相談サービスの充実

 各種医療相談への適切な対応や痴呆性疾患の患者に関する相談についての助言・指導につとめます。また、入院患者については、退院後のケアを充実させるため、介護福祉施設等、関係機関との連携強化につとめます。

4 救急体制の充実

(1)高度救急の定着
 都市構造の変化、長寿社会の進展、疾病構造の複雑化等を背景に、ますます増加傾向にある救急需要に加え、救急業務に対する市民ニーズの多様化等に対処するため、救急救命士の高齢化対策、メディカルコントロール体制の推進を踏まえた救急救命士・救急隊員の増強、資機材の整備に取り組み、高度救急体制の強化と充実につとめます。
(2)メディカルコントロール体制の強化
 救急業務を円滑に推進するため、メディカルコントロールを含む救急諸課題を包括的に協議する秋田市救急医療協議会(注5)を設置するとともに、メディカルコントロール専門委員会(注6)を設け、救急救命士等に対する指示・指導・助言や救急活動の事後検証、救急救命士の再教育などの体制強化をはかり、地域の救命効果の向上につとめます。
(3)応急手当法の普及
 国の指導に基づき、本市人口20%(注7)の受講を目標として救急救命講習を実施します。また、受講対象者の拡大をはかるため、特に高齢者および小中学生を対象とした救命講習の実施につとめます。
(4)夜間・休日の応急診療
 夜間・休日の応急的診療を行う夜間休日応急診療所について、その運営体制を検討します。
 また、将来的には、市内医療機関が閉院しているすべての時間に対応可能な(仮称)小児救急センターの整備をめざします。

5 献血の推進

 献血意識の啓発により、医療用血液の安定確保をはかります。

●重点テーマからの視点
   
1 県都としての高次集積都市の実現
 県都・中核市として救急救命の先進都市をめざし、高度な救急体制を確立します。

2 少子長寿社会への対応
 年々増加している高齢者の救急搬送要因を分析し、結果を応急手当講習会等に反映させ、予防救急につとめるとともに、救急業務の高度化をはかります。

4 男女共生を踏まえた市民共生社会の実現
 1人でも多くの人命を救うため、市民の多くが緊急時に適切な処置、対応がとれる社会をめざし、救命技術の普及につとめます。


注1)夜間休日応急診療所
 夜間・休日における市民の医療を確保するため、秋田市が(社)秋田市医師会の協力により秋田県成人病医療センターに開設しているもの

注2)救急救命士
 救急現場において、生命が危険な状態にある傷病者を医療機関に搬送するまでの間、医師の指示のもと救命処置を行うことができる専門職

注3)心肺蘇生法
 呼吸や心臓が停止している傷病者に対し、人工呼吸や心臓マッサージを行う救命手当

注4)メディカルコントロール体制
 救急現場において、救急救命士等がすみやかに医師から指示・指導・助言を受けられる体制、救命処置に対し医師が事後検証し今後の教育に役立てる体制、救急救命士たちの再教育体制、これら3つの体制のことをいう。

注5)秋田市救急医療協議会
 今後の救急業務の方向性や消防機関と医療機関の円滑な連携体制検討のため、平成14年9月に発足。市保健所長を会長とし、市内7つの救急病院や各医療団体、関係団体の長で構成

注6)メディカルコントロール専門委員会
 メディカルコントロール体制について協議を行う専門委員会で、市内7つの救急病院の救急担当医師で構成

注7)人口の20%
 国で指導している目標数値


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