2000年
8月11日号



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二〇〇〇年七月 山王内外案内
市長●石川錬治郎

●秋田空港夜間駐機で利便性、疲労性も高まる
●フランスでも華麗なステップを見せるか、吉田義人
●故郷に錦、苦学力行の中国古代文学の大家石川教授

◆秋田空港夜間駐機便の実現により、利便性、労働生産性大いに高まる。某日、東京での午前十時〜十二時の会議(移動円滑化基準等検討会議=運輸省)に出て、空港に向かうタクシーの中で昼食をとり、羽田十三時二十分発の便で帰秋、十五時からの会議に出席などということも常態となるか。その分、疲労性も大いに高まることは確実なもよう。
◆秋田工業−明治大学−伊勢丹でラグビー部に属し、ジャパンのウイングで華麗なステップで定評のあった吉田義人君が、フランスのプロチームのメンバーとして活躍することが決まり、その壮行会。野球の野茂、サッカーの中田等に次ぐ現代の若者の快挙。「フランス・ヨーロッパで大いに活躍し、時が過ぎたならばいつでも秋田に帰られたし。秋田は君のような海外に雄飛してきた人間を温かく迎えるだろう」と挨拶。
◆「さきがけ政経懇話会」の講師として来秋された人材派遣会社ザ・アールの奥谷禮子社長の講演とその後の懇親会に出席。二十数年前、JAL国際線のスチュワーデスという花形の職場からトラバーユ、女性だけの会社を興す。今や女性として初の経済同友会会員に推されるほど一流の経営者に。社名の「R」の由来は、女性の力で世の中を変える、革命「Revolution」の「R」とのことで、誠に恐れ入ったネーミング。このような元気な女性が輩出して来ると「女男格差」の到来も間近か。
◆五城目町出身の秋田市在住者でつくる「森山会」で、この度「文学博士号」を授与された秋田大学教育文化学部教授石川三佐男氏の祝賀会。石川教授は五城目町杉沢出身で私と小中学校は同窓。先生はその後上京、集団就職した会社でNHKのラジオによる教育で高校卒業など、文字通り苦学力行の人。「鮭が母川に帰るように三十数年かけて故郷秋田に帰ってきた」という話は実感がこもる。石川教授の主な専門は「楚辞」の考古学をふまえた実証的研究。中国、日本でも有名な屈原は実は架空の人物であったとの論文を発表、中日の古代中国文学会に論議を巻き起こすなど気鋭の学者。秋田には数人しかいない文学博士号を得て、いよいよ研究の円熟されんことを期待。
◆今月の収穫。東京から奥様の実家のある秋田市にIターンされた市民のかたから「山王内外案内」を読まれての感想文をいただく。先月のこの欄の賀川豊彦氏の秋田美人論に触発されたとのこと。
 「…広報に石川さんのようにやや私的なことを書くというと、市民は愛読するものですが、意外と首長はやらないですね。先年、給食廃止論で全国的に有名になった埼玉県庄和町の神谷町長はいい文章をよく書いて、それが単行本になりました。もっとも彼は過労がたたったのか、たしか四十代で亡くなりました。私は秋田に来て丁度一年になりますが、広報のこのページを見つけて楽しく読ませていただいています…」。
 この欄はともかくとして、広報への市民の評価が高まっていることを実感・謝々。

 

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