2001年
2月23日号



シリーズ人Person

地域の団結が深まる伝統の楢山かまくら
楢山かまくら保存会会長
木谷正一(きや しょういち)さん(80歳)

 藩政期から伝わる「楢山かまくら」は、地域のかたがたや若竹学園の生徒たちの協力で今年も大成功。
 ここのかまくらは横手のとは違って、四角に囲んだ雪の壁を作り、その上にわらの屋根をかぶせるのが特徴です。
 二月十一日(日)には近所の子どもたちや町内のかたがたが集まり、かまくらの前で餅つきやゲーム、雪合戦などを楽しみました。
 昔は悪魔払いのために行われていたかまくら行事。当時はこの中に女子が入ることをかたく禁じていたそうです。時代の流れとともに無病息災や火の用心、水神様への豊作祈願などに変わってきました。
 楢山かまくらは明治四十四年、行事の最中に火災が発生したため中止を命じられ、以来六十年以上も中断されたままになっていました。それが昭和五十年、太田町子ども会などの協力のもとに復活されました。
 「子どもたちに喜んでもらえると、かまくらを作ったかいがあります。今年のように雪がたくさん降って寒いときも、このかまくらに入ると、とても暖かいんですよ。この行事で地域の団結が深まり、さらに、みんな無事に過ごせるといいなあと思っています」と木谷正一さん。
 雪国秋田だからこそ楽しめるかまくら。このかまくらは、みんなに一年中のぬくもりを与え、解けていきます。なんだかうれしいような寂しいような感じがします。楢山かまくらを来年はみなさんも一度ご覧になってはいかがですか。一年で一番寒い時期ですが、きっと温かく迎えてくれますよ。


楢山かまくらの作り方

 まず、雪の壁を作るための側板や丸太を配置。側板のまわりに雪を積んで、雪の壁を作ります。さらに、丸太で屋根の骨組みを作り頑丈にします。屋根の土台ができたらその上にわらをかぶせて、隙間をふさいでできあがりです。
大きさは間口3.6m、奥行き5.4m。

1番目に 雪の壁を頑丈に作ります。



2番目に 屋根の骨組みを作ります。



完成図 完成したかまくら
こんなに立派にできました



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