第10次秋田市総合計画>基本計画>第1章「環境と調和し快適に暮らす緑豊かなまち」づくり
第4節 市街地の開発整備
  第1章「環境と調和し快適に暮らす緑豊かなまち」づくり
 

第4節 市街地の開発整備


現状と課題


 平成12年度における本市の人口集中地区(DID)(注1)面積は、市街化区域の約70%にあたる約5,240ha、その人口密度は50.7人/haであり、わずかながら低密度化・拡散化の傾向が見られます。近年の人口伸び率の鈍化が影響し、一部の新規大規模開発地においては、人口定着の遅れが懸念されています。  また、全国的な傾向でもある中心市街地の空洞化が本市においても顕著であり、県都の顔としてのにぎわいが失われている状況です。
 今後は、郊外への住宅地の拡大を抑制し、既成市街地へ人を引き寄せるまちづくりが必要であり、そのためには、既成市街地の面的整備と道路網の整備などを通じて、魅力ある機能的でコンパクトな市街地を整備し、土地利用の更新を促すことが求められています。さらに、市民が親しみと愛着をもち、本市を訪れる人々に誇れる、美しくうるおいのある都市景観を形成することも必要です。

基本方針


 県都の顔であり高次集積都市の中核を担う市中心部のにぎわいを創出するため、秋田駅周辺地区まちづくり総合支援事業(注2)や市街地再開発事業(注3)をすすめ、高次の都市機能を複合した都心軸を形成し、中心市街地の再生と活性化をはかり、多様な都市機能が連携した、魅力的で活力ある市街地整備を促進します。  また、既成市街地の居住環境を改善し、土地の利用増進をはかるため、土地区画整理事業(注4)の推進や地区計画制度(注5)を運用するとともに、民間事業者の行う宅地開発の適切な指導を行います。  さらに、歴史的、文化的資源を大切にするとともに、新たな地域資源を活用し、都市的魅力を享受できる、緑あふれ美しくうるおいのある都市景観の形成をはかります。

主な施策

1 市街地の再開発

(1)秋田駅周辺地区まちづくり総合支援事業
 秋田駅周辺地区において、駅東西間の活力あるまちづくりを進めるため、駅周辺に位置する鉄道跡地等大規模空閑地を有効活用し、民間と一体となって県都秋田市の中核にふさわしい、ゆとりとにぎわいのある都市環境を整備します。
 また、本地区の開発をリードする(仮称)拠点センター(注6)を秋田駅東口における市民交流の中核施設として、民間と行政のパートナーシップによる様々な機能の集積整備を進めることにより、本地区内へさらなる高次な都市機能の集積を促進し、新たな都市拠点の形成をはかります。

(2)中央街区(注7)の再開発
 秋田駅西口における建築物の防災化、景観形成および商業機能拡充をめざした秋田駅前市街地再開発区域約3.1haについて、引き続き整備を促進します。
 また、商業地にふさわしい魅力ある空間形成をはかるため、中通一丁目地区(日赤・婦人会館跡地等街区)約2.9haの市街地再開発事業について、文化交流と商業の核として、民間の主体的な都市型複合施設の建設を支援し、新たなにぎわいと集客力の向上をはかります。
 さらに、旧産業会館跡地周辺街区、旧保健所跡地街区等については、公共公益や福祉、住宅機能などを複合的に誘導していくため、土地の新たな利活用による良好な施設整備の再開発をめざし、地元関係地権者とともにその調査・検討を継続します。

(3)既成市街地の再開発
 横町地区における都市計画道路・川尻広面線の拡幅整備とあわせた、沿道の共同開発や大町地区の活性化と良好な街並み形成をめざした民間再開発については、地元の意向を踏まえながら優良建築物等整備事業(注8)、商店街の集積区域整備事業(注9)などを段階的に促進し、順次中心市街地としての都市機能の向上をはかります。
 また、土崎、新屋地区等の中心部については、各種制度を活用し、居住環境や商業環境等の整備・改善をめざした調査・検討を進めます。

(4)歩行者空間軸の整備
 秋田駅周辺および中央街区において、順次整備される複合施設間の滞在性、回遊性を確保するため、安全で快適な歩行者空間のネットワーク形成をはかり、まち全体のにぎわいを創出します。
 秋田駅東西連絡自由通路に連結する仲小路については、地元関係者の意向を踏まえながら、モール化(注10)整備を検討し、中央街区を東西に貫く「ゆとり空間」を創造します。
 また、中通一丁目地区市街地再開発事業により生み出される空間を魅力的な緑道や広場として整備し、千秋公園から南北に連なるアメニティ軸(注11)を創出します。

2 土地区画整理事業

(1)秋田駅東第三地区
 秋田駅東第一・第二地区の北側に隣接する約45.5haの区域内における都市計画道路、区画道路(注12)、特殊道路(注13)、公園等を整備し、良好な市街地の形成をはかります。

(2)秋田駅西北地区
 秋田駅の西北に位置する約5.8haの地区内に、都市計画道路、区画道路、特殊道路、公園等を整備し、機能的な市街地の形成をはかります。

(3)秋田駅東拠点地区
 秋田駅東側に隣接する約10.3haの区域内における土地利用を促進するため、東口駅前広場を含む都市計画道路、区画道路、公園等を整備し、玄関口の一つにふさわしい街並みの形成をはかります。

(4)その他の地区
 土地区画整理事業の計画決定区域のうち、将軍野東地区約46.0haについては、土地区画整理事業による整備を基本としながら、当面、市道認定方式(注14)による整備を行います。また、その他未着手地区については、土地利用の現況や事業の効果等を見極めながら整備手法の見直しを含め検討します。

(5)組合施行等の事業化促進
都市の基盤整備は、公共団体による施行のみならず、民間による開発整備も望ましいことから、土地区画整理法に基づく個人および組合施行の事業化を促進します。

3 地区計画等の推進

 地区計画、建築協定、緑化協定を活用することにより、土地の有効利用をはかり、快適でうるおいのある都市環境の形成や防災性の向上をめざします。また、一体性のある街並みや個性ある街並みの形成を誘導します。

4 秋田新都市開発整備事業(注15)の促進

 秋田新都市「御所野ニュータウン」については、既成市街地の都市機能を補完する産業用地等の活用や関連する公共公益施設等の整備を促進します。

5 都市景観の形成

 都市景観形成基本方針(注16)に基づき、城下町としての歴史的、文化的資源を活かしながら、高次の都市的魅力を享受できる、緑あふれ美しくうるおいのある都市景観の保全、創出と整備をはかるため、都心軸など重点地区を指定し、計画的な景観整備を促進します。
 また、秋田市都市景観条例(注17)や秋田市屋外広告物条例(注18)に基づき、良好な都市景観形成を促進するため、市民意識の高揚をはかる一方、建築物や屋外広告物等を適正に誘導します。

●重点テーマからの視点
   
1 県都としての高次集積都市の実現
 中心市街地について、高次の都市機能を複合した都心空間の形成を促進するとともに、道路や歩行空間等の整備により、周辺地域からのアクセス性向上と来街者の移動の快適性確保につとめます。

2 少子長寿社会への対応
 高齢者をはじめとする交通弱者などすべての人が訪れやすく、高齢者の社会参加や育児をサポートする機能が集積された市街地の形成をはかります。

3 環境と調和したまちづくりの推進
 市民の主体的取り組みを適切に誘導しながら、自然環境と調和したうるおいある市街地を形成し、都市アメニティの向上をはかります。

4 男女共生を踏まえた市民共生社会の実現
 すべての人にやさしい安全で快適な歩行空間ネットワークを形成し、市街地の滞在性、回遊性の向上をはかります。また、都市機能のひとつとして、さまざまな市民活動の拠点となる施設の導入を検討します。

5 地方分権の推進による市民主体の都市個性づくり
 中核市として、市民が親しみと愛着をもてる、美しくうるおいのある都市景観の形成をはかります。

7 IT革命に伴う社会変化への対応
 ITの普及を推進し、市民のリテラシー向上のため、(仮称)拠点センターの整備に際して市民が情報通信機器を体験・利活用できる機能の導入を検討します。


注1)人口集中地区(DID)
 Densely Inhabited District の略。市区町村の境域内で人口密度の高い基本単位区(原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の国勢調査基本単位区)が連たんして、その人口が5,000人以上となる地域

注2)秋田駅周辺地区まちづくり総合支援事業
 秋田駅周辺に位置する鉄道跡地等大規模空閑地を有効利用し、民間と行政が一体となって都市環境の整備をはかる事業

注3)市街地再開発事業
都市再開発法に基づき、一定街区内の敷地を統合して、共同建築物の建て替えと公共的なオープンスペースなどを確保し、快適で安全な都市環境を再生する事業

注4)土地区画整理事業
 土地区画整理法に基づき、換地(土地の交換分合)と減歩(地権者からの用地一部提供)により、公共用地を生み出すことで、道路や公園等公共施設の整備改善と宅地の利用増進をはかる事業

注5)地区計画制度
 一定区域における公共施設の配置・規模、建築物の用途・形態などに関する事項を定め、開発行為や建築行為を適正に誘導、規制する制度

注6)(仮称)拠点センター
 秋田駅周辺地区まちづくり総合支援事業のリーディングプロジェクトとして整備する、秋田駅東口の大規模未利用地を有効活用した民間と公共の複合施設

注7)中央街区
 秋田駅から二丁目橋に至る広小路と中央通りとの間に挟まれた区域(駅前広場除く)約16.8ha

注8)優良建築物等整備事業
 比較的小規模な区域において、複数の地権者が敷地の共同利用により、建築物の共同化またはまちづくりのルールに基づく協調建て替えを行うとともに、一定規模の空地を確保し、良好な街並み形成をはかる国土交通省の補助事業

注9)集積区域整備事業
 商店街の小売商業者などによる組合が、各店舗の統一的な建て替え・改造を行うとともに、商店街の共同施設としてアーケード・カラー舗装・駐車場等の施設を整備する中小企業総合事業団の高度化事業のメニューのひとつ

注10)モール化
 歩行者専用の快適な多機能空間

注11)アメニティ軸
 快適性に富んだ魅力ある歩行者空間

注12)区画道路
 土地区画整理事業により整備される生活道路

注13)特殊道路
 自転車、歩行者専用道路

注14)市道認定方式
 土地区画整理事業計画区域内の私道で、一定要件を満たした道路を減歩の対象とするため、区画整理事業実施まで所有権を存続させたうえで市が先行して道路を整備する方式

注15)秋田新都市開発整備事業
 事業面積:約380ha
 土地利用計画 住宅地/約93ha、産業用地/約76ha、公益施設等用地/約63ha、公共用地/約143ha
 人口・住宅戸数:計画人口/11,300人、計画戸数/3,750戸

注16)都市景観形成基本方針
 秋田市都市景観条例に基づき、都市景観形成のための施策を総合的かつ一体的に展開するために定めた基本方針

注17)秋田市都市景観条例
 都市景観形成に関して必要な事項を定め、都市景観形成のための施策を総合的かつ一体的に展開することにより、市民の共有財産である優れた都市景観を、市民一人ひとりの手によって、つくり育てていくことを目的とした条例(平成14年7月制定)

注18)秋田市屋外広告物条例
 屋外広告物法の規定に基づき、広告物の表示の場所・方法、広告物を掲出する物件の設置・維持について必要な規制を行うことにより、美観風致を維持し、公衆に対する危害を防止することを目的とした条例(平成9年4月の中核市移行による屋外広告物事務の移譲に伴い制定)


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