第1条　この規程は、地方公営企業法施行規則(昭和27年総理府令第73号。以下「法施行規則」という。)第1条の規定により、秋田市水道事業および下水道事業(以下「事業」という。)の会計および財務に関する事務の処理について必要な事項を定め、事業の能率的な運営と適正な経理を行ない、もって事業の健全な発達に資することを目的とする。

第2条　事業の会計および財務に関しては、法令その他別に定めのあるものを除き、この規程の定めるところによる。

第3条　事業の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までの1年とする。

第4条　事業に企業出納員(以下「出納員」という。)を置く。

第5条　管理者は、次の各号に掲げる事務を出納員に委任する。

第6条　事業に現金取扱員および物品取扱員を置く。

第7条　出納員、現金取扱員、資金前渡職員および物品取扱員は、善良な管理者の注意をもって、現金その他の資産を取り扱わなければならない。

第8条　出納員、現金取扱員および物品取扱員は、異動を命じられたときは、7日以内にその事務を後任者に引継がなければならない。

第9条　事業の業務に係る現金の出納事務の一部を取り扱わせる金融機関を、水道事業については秋田市水道事業出納取扱金融機関と、下水道事業については秋田市下水道事業出納取扱金融機関とし、また、収納事務の一部を取り扱わせる金融機関を、水道事業については秋田市水道事業収納取扱金融機関および下水道事業については秋田市下水道事業収納取扱金融機関(以下「収納機関」という。)とする。

第10条　事業に係る取引については、その取引の発生の都度証拠となるべき書類に基づいて会計伝票を発行するものとする。

第11条　会計伝票の種類は、入金伝票、支払伝票および振替伝票とする。

第12条　過誤又はその他の理由によって取引を取り消し又は訂正する場合は、取消し、又は訂正の伝票を発行しなければならない。

第13条　出納員は、毎日会計伝票および取引に関する証拠となるべき書類を整理し、日付によって編集し、保存しなければならない。

第14条　事業に関する取引を記録、計算および整理するために次の各号に掲げる会計帳簿(以下「帳簿」という。)を備える。

第15条　総勘定元帳は、第17条第2項に定める勘定科目の項又は目について口座を設け、補助簿により集計作成するものとする。

第16条　総勘定元帳、補助簿その他相互に関係ある帳簿は、随時照合しなければならない。

第17条　事業の経理は、損益勘定、資産勘定、負債勘定および資本勘定に区分して行なうものとする。

第18条　金銭とは、現金、預金、小切手および金銭にかわるべき証書をいう。

第19条　事業の公金は、出納機関、収納機関およびその他の確実な金融機関に預け入れて保管するものとする。

第20条　出納員は、毎日金銭出納簿と出納機関より提出された収支金報告書を照合し、預金残高を確認しなければならない。

第21条　取扱い中の現金又は預金に不足を生じた場合は、出納員は遅滞なくその原因を明らかにし、不足金は仮払金とし、管理者の決裁を経て次の各号により処理するものとする。

第22条　収入の調定をする場合は、その根拠、所属年度、収入科目、金額および納入者を明らかにし、調定簿に記帳して管理者の決裁を受けなければならない。

第23条　収入の調定を更正しようとする場合は、前条第1項の規定に準じて管理者の決裁を受けて調定簿を更正するとともに、振替伝票を発行しなければならない。

第24条　前2条の規定により収入を調定し、又は収入の調定を更正した場合は、直ちに納入者に対して納入通知書を送付しなければならない。

第25条　出納員又は現金取扱員は、収入の納付を受けた場合は直ちに納入者に対して領収書を交付しなければならない。

第26条　出納員および現金取扱員は、金銭を収納した場合は、その日のうちに出納機関に納入しなければならない。ただし、やむを得ない事由がある場合は翌日に納入することができる。

第27条　納入者は、小切手をもって現金にかえ納付することができる。

第28条　出納機関および収納機関に預金口座を設けている納入者は、口座振替の方法により納入することができる。

第29条　出納員は、収入金を収納した場合は、入金伝票を発行し、総務課長に回付しなければならない。

第30条　収納金のうち過納又は誤納となったものがある場合は、過誤納の理由、所属年度、収入科目、還付すべき金額および還付すべき納入者を記載した書類により管理者の決裁を経て還付しなければならない。

第31条　収入の科目を誤った場合の更正は、振替伝票によって行なう。

第32条　法令もしくは条例又は議会の議決によって債権を放棄し、又は時効等により債権が消滅した場合においては、当該債権に係る収入の調定の年月日、金額、収入科目および調定後の経緯等を記載した書類によって振替伝票を発行しなければならない。

第32条の2　支出負担行為をしようとするときは、支出負担行為伺書に必要な書類を添えて、所定の決裁を受けなければならない。ただし、次に掲げるものについては、支出負担行為伺兼命令書により支出命令の手続きと併せて行うことができる。

第32条の3　契約締結のとき又は請求されたとき等の支出額が決定した場合は、支出負担行為書を作成しなければならない。

第33条　支出をしようとする場合は、その理由、金額および債権者名を記載した請求書を提出させ、所属年度および支出科目を付して管理者の決裁を受けなければならない。

第34条　総務課長は、支払するものについて請求書および支出調書に基づいて支払伝票を発行し、出納員に回付しなければならない。

第35条　出納員は、支払をする場合は、債権者に対し支払期日を通知し、小切手を出して交付するとともに領収書を徴しなければならない。

第36条　資金前渡、概算払又は前金払をしようとする場合は、管理者の決裁を受けなければならない。

第37条　地方公営企業法施行令(昭和27年政令第403号。以下「法施行令」という。)第21条の5第1項第15号の規定により、資金前渡のできる経費は次に掲げるものとする。

第38条　資金前渡職員は、その支払に係る用務の終了後7日以内に資金前渡精算書を作成し、領収書又は支払を証明する書類を添えて管理者に提出しなければならない。

第39条　概算払を受けた者は、用務の終了後7日以内に概算払精算書を作成し、管理者に提出しなければならない。

第40条　出納員は、法施行令第21条の9第1項の規定により、隔地払の方法により支払いをしようとする場合は、出納機関を受取人とする小切手を振出し、これを隔地払送達簿に添えて出納機関に送付するとともに、債権者に支払通知書を送付しなければならない。

第41条　出納機関および当該出納機関と為替取引のある金融機関に預金口座を設けている債権者から申出があったときは、管理者は、口座振替の方法により支払いすることができる。

第42条　出納員は、小切手により支払いするときは、出納機関の預金残高の範囲でなければならない。

第43条　出納員は、小切手帳を厳重に保管しなければならない。

第44条　出納員は、毎月末日における支払小切手未払高を調査し、管理者に報告しなければならない。

第45条　管理者は、支払金のうち過払又は誤払となったものがある場合は、過誤払を証する書類により直ちに回収しなければならない。

第46条　債務免除、時効等により債務が消滅した場合においては、当該債務に係る経緯等を記載した書類によって管理者に報告するとともに振替伝票を発行しなければならない。

第47条　出納員は、支払済に係る支出書類および小切手類を科目又は日付順に整理して保管しなければならない。

第48条　出納員は、前受金を受け入れた場合は、入金伝票を発行し、前受金整理簿に記帳しなければならない。

第49条　出納員は、預り金を受け入れた場合は、次の各号に掲げる区分により整理しなければならない。

第50条　事業の所有に属しない有価証券を保管する場合は、預り有価証券として整理しなければならない。

第51条　第9条に定める出納機関は次の各号に掲げる事務を行なう。

第52条　第9条に定める収納機関は、管理者が発行した納入通知書によって料金その他の収入を収納し、領収書を交付する事務を行なう。

第53条　出納機関および収納機関は、次に掲げる各号の一に該当する場合は、その収納又は支払いを拒み、その事実を出納員に報告しなければならない。

第54条　出納機関は、収納および支払について収支金報告書を作成し、翌日までに収入済通知書および支払済通知書を添えて出納員に提出しなければならない。

第55条　出納機関は、金銭の出納に関し使用する印鑑を管理者に届出なければならない。使用する印鑑を変更した場合も同様とする。

第56条　法施行令第22条の5第1項の規定に基づく出納機関等の検査は、毎年5月に行なうものとする。

第57条　たな卸資産とは、水道事業の業務執行上必要な次の各号に掲げる物品でたな卸経理を行なうものをいう。

第58条　物品取扱員の作成する書類は、すべて総務課長を経由しなければならない。

第59条　出納員は、水道事業の業務執行上必要な量のたな卸資産を貯蔵するようにつとめなければならない。

第60条　課長は、予算に基づき、所要資材の種類、数量、所要時期を明記し、四半期ごとに準備予定表を作成し、出納員に送付しなければならない。ただし、急施を要するものは、この限りでない。

第61条　たな卸資産の購入事務は、総務課長が行なう。

第62条　出納員は、貯蔵品準備計画に基づいて、主管課長(以下「課長」という。)に購入請求を提出させることができる。

第63条　総務課長は、たな卸資産の納入又は引渡の通知を受けたときは、遅滞なく検収しなければならない。

第64条　たな卸資産の帳簿価額は、消費税等相当額を除いた額で、次の各号に掲げるところによる。

第65条　出納員は、たな卸資産を受け入れた場合は、入庫伝票を発行し、これに基づいて貯蔵品出納簿に記帳するとともに、振替伝票を発行しなければならない。

第66条　たな卸資産の庫出価格は、移動平均法によるものとする。ただし、特別なものは個別法によることができる。

第67条　課長は、たな卸資産を庫出ししようとする場合は出庫伝票を発行し、出納員に提出しなければならない。

第68条　課長は、工事のために庫出しした材料に残品を生じた場合は、その都度返納伝票を発行し、現品を添えて出納員に返納しなければならない。

第69条　入庫、出庫および返納の各伝票には、たな卸資産の品名、寸法、数量、価額、使用又は返納の目的および貯蔵科目を記載しなければならない。

第70条　たな卸資産を使用して新たなたな卸資産を製作する場合は、出納員は、製作の理由、製作すべきたな卸資産の名称および数量等を調査し、所要たな卸資産を庫出ししなければならない。

第71条　第57条各号に掲げる物品で、事業の資産として計上されていないものを新たに発見した場合は、出納員は、これを使用できるものと不用のものとに区分し、利用できるものは、第64条第2号および第65条の規定に準じて受け入れなければならない。

第72条　庫出ししたたな卸資産および撤去品等は、返納、庫出しの手続を経なければ、他に流用することができない。

第73条　庫入品は、事業の倉庫に保管しなければならない。ただし、特別の理由があるものについては、出納員の指定する場所に保管することができる。

第74条　出納員は、たな卸資産に不用品を生じた場合は、管理者の決裁を経てこれを売却又は廃棄等の措置をとるものとする。

第75条　たな卸資産の保管責任は、現品の引き渡しを行なったときをもってはじまる。

第76条　出納員および物品取扱員は、自己の保管又は監督に属するたな卸資産につき、盗難、亡失、損傷その他の事故があることを発見した場合は、すみやかにその原因および現場を調査して、事故報告書を作成し、管理者に報告するとともに、遅滞なく措置しなければならない。

第77条　出納員は、常に貯蔵品出納簿の残高についてこれと関係ある他の帳簿と照合し、その正確な額の確認につとめなければならない。

第78条　出納員および物品取扱員は、その主管に属するたな卸資産を善良な管理者の注意をもって保管しなければならない。

第79条　出納員は、毎年度末実地たな卸を行なわなければならない。

第80条　前条のたな卸に当っては、帳簿の誤記および誤算のないことを確認したうえ、残高を基本数量として現品に当らなければならない。

第81条　たな卸の実施に当っては、当該たな卸資産の受払および保管に直接関係のない職員が立ち会うものとする。

第82条　出納員は、実地たな卸の結果、帳簿の残高が、たな卸資産の現在高と一致しないときは、管理者の決裁を経て、たな卸表に基づき振替伝票を発行して、これを修正しなければならない。

第83条　総務課長は、第57条各号に掲げる物品のうち、購入後直ちに使用する予定のもの又は建設改良仮勘定を設けて経理する工事に使用する予定のものを購入したときは、直接当該科目の支出として経理することができる。

第84条　第68条の規定は、前条の規定によって購入した物品のうち、残品が生じた場合に準用する。

第84条の2　課長は、たな卸資産以外の物品を適正に管理しなければならない。

第85条　固定資産とは、次に掲げるものをいう。

第86条　固定資産の取得価額は、消費税等相当額を除いた額で、次の各号に掲げるところによる。

第87条　登記登録を要する固定資産の代金は、登記登録完了後でなければ支払うことができない。ただし、管理者が必要と認めた場合は、この限りでない。

第88条　固定資産を購入しようとする場合は、総務課長は、次の各号に掲げる事項を記載した書類によって管理者の決裁を受けなければならない。

第89条　固定資産を無償で譲り受けようとする場合は、総務課長は、次の各号に掲げる事項を記載した書類によって管理者の決裁を受けなければならない。

第90条　建設改良工事を施行しようとする場合は、課長は、次の各号に掲げる事項を記載した書類によって、管理者の決裁を受けなければならない。

第91条　削除

第92条　建設改良工事が完成した場合は、課長は、すみやかに工事費の精算を行なわなければならない。

第93条　建設改良工事でその工事が1事業年度をこえるものは、建設仮勘定を設けて経理するものとする。

第94条　総務課長は、取得した固定資産で登記登録を要するものは、遅滞なくその手続をしなければならない。

第95条　課長は、固定資産の所管替をしようとするときは、総務課長に合議しなければならない。

第96条　固定資産の用途変更および補修工事等により異動を生じた場合は、課長は、固定資産異動報告書を作成して総務課長に回付しなければならない。

第97条　課長は、天災その他の理由により固定資産が滅失し、亡失し、又は損傷を受けた場合は、遅滞なく管理者にその旨を報告しなければならない。

第98条　固定資産を売却し、撤去し、又は廃棄しようとする場合は、総務課長は、次の各号に掲げる事項を記載した書類によって、管理者の決裁を受けなければならない。

第99条　機械器具その他これらに類する固定資産のうち、その用途に使用することができなくなったものについては、総務課長は、管理者の決裁を経て再使用できるものと不用になったものとに区分して、たな卸資産を振り替えなければならない。

第100条　有形固定資産の帳簿価額を法施行規則第3条第2項の規定により減額したときは、その減じた価額(これに対応する減価償却累計額を控除した残額)から採用品その他の価額を控除した残額を損益勘定の固定資産除却費に計上しなければならない。

第101条　償却資産の減価償却は、取替資産を除くほか、定額法又は定率法(平成10年4月1日以後に取得した建物にあっては、定額法)によって行ない、その記帳については、有形固定資産は、間接法により累計額を設け、無形固定資産は、直接法による。

第102条　償却資産のうち量水器を取替資産とする。

第103条　有形固定資産について、残存価額に達した後において、法施行規則第8条第3項の規定により帳簿価額が1円に達するまで減価償却を行なおうとする場合は、総務課長は、あらかじめ、その旨およびその年数について管理者の決裁を受けなければならない。

第104条　償却資産の残存価額は、取替資産については帳簿原価の100分の50、その他の有形固定資産については100分の5に相当する価額とし、無形固定資産については零とする。

第105条　課長および出納員は、毎事業年度終了後20日以内に決算の作成に必要な資料を総務課長に送付しなければならない。

第106条　総務課長は、毎事業年度経過後すみやかに繰替伝票により、次の各号に掲げる事項について決算整理を行なわなければならない。

第107条　総務課長は、前条の規定により決算整理を行なった後、各帳簿等の締切を行なうものとする。

第108条　総務課長は、毎事業年度終了後5月25日までに次の各号に掲げる書類を作成して、管理者に提出しなければならない。

第109条　課長は、毎年度その主管に属する予算下調書(消費税等相当額を含む。)を作成し参考書類を添付して総務課長に提出しなければならない。

第110条　予算の補正をする必要があるときは、前条の規定に準じて行なうものとする。

第111条　総務課長は、課長より工事および作業の実施計画その他必要な資料を徴し、議決予算に基づいて予算実施計画書を作成し、管理者に提出しなければならない。

第112条　予算の金額を流用しようとするときは、総務課長は予算流用調書により、管理者の決裁を受けなければならない。

第113条　総務課長は、地方公営企業法(昭和27年法律第292号。以下「法」という。)第26条の規定による予算を繰越して使用しようとするときは、繰越計算書を作成して4月30日までに管理者に提出しなければならない。

第114条　法第24条第3項の規定に基づき予算額を超えて使用しようとするときは、総務課長は、使用しようとする経費の名称および金額、その理由等を記載した文書によって、管理者の決裁を受けなければならない。

第115条　事業の業務に関する売買、貸借、請負その他の契約および検収については、法令その他別に定めがあるもののほか、秋田市財務規則(平成9年秋田市規則第37号)および秋田市建設工事検査規程(昭和56年訓令第6号)の例による。

第116条　総務課長は、法第31条の規定による試算表および法施行規則第11条の規定による資金予算表を、翌月15日までに管理者に提出しなければならない。

第117条　総務課長は、法第40条に定める業務の状況を説明する書類について上半期分を11月20日まで、下半期分を5月20日まで管理者に提出しなければならない。

第118条　事業における会計経理の書類の様式は別に定める。