2000年
5月26日号



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21世紀への遺産 

時を越えて生き続ける見えない力がある。
ふるさとの文化。
いま、次代へ、確かに伝えるもの…。


悠久の年輪を刻む緑豊かな古木たち

 生き生きとした緑が輝く五月。豊かな自然にも、悠久の時を刻む歴史があります。
 市内には、市の天然記念物に指定された五本の木があります。どれも、しっかりと根が張られ、樹齢数百年以上という威厳を誇る巨木です。
 寺内字大小路の「旭さし木」は、樹齢千二百年のけやきで、市内で一番古い木と言われています。昔、この地域に住んでいた「旭」という長者の家の目印になっていたことからこの名前が付いたと伝えられています。木の下に湧いた泉は、眼病にきく目洗水とも呼ばれていました。石のお釈迦様を祭り、かつては多くの人々が訪れたといいます。明治十九年の大火で根元の一部が焼けてしまいましたが、現在でも木の勢力は衰えず、その生命力の強さには驚かされます。
 川元小川町の「川口のいちょう」は樹齢千年、地域では神木として崇拝されている木です。昔、雄物川がこの木の下を流れ、渡船場があったと伝えられています。
 柳田・火産霊神社境内にある「柳田のけやき」。樹齢八百年で、古くから柳田地域を守る神木としてその歴史を刻んでいます。
 楢山登町・仰信寺の「綱掛の松」は、樹齢四百年の黒松です。江戸時代、境内近くを旭川が流れ、仙北地方から米を運ぶ船が停泊する際、船止めの綱を掛けたことからこう呼ばれています。
 下浜八田の「玄海の松・杉」と「八田の親杉」。悲しい恋に終わった、修行僧玄海坊と長者の娘をなぐさめようと植えられた、松と杉のめおと木。すぐ近くで、このめおと木を温かく見守っている親杉。残念ながら、玄海の松は枯れてしまいましたが、木々にまつわる物語は、今なお語り継がれています。
 なお、今回の表紙写真は仁別国民の森の「めおと杉」。この四月、国有林に生息する珍しい巨木に贈られる林野庁の「森の巨人たち百選」に選ばれました。一つの根元から幹の太さや高さの同じ木が二本生えている、樹齢二百年以上の天然秋田杉です。右側が男木、左側が女木と呼ばれ、その寄り添う姿は仲の良い夫婦に例えられています。


天然記念物

■問い合わせ
文化課 TEL(866)2246

 旭さし木、川口のいちょう、柳田のけやき、綱掛の松、八田の親杉は、昭和48年、市の天然記念物に指定されました。


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