2000年
11月10日号



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二〇〇〇年十月 山王内外案内
市長●石川錬治郎

●「あきた新世紀プラン」の策定作業着々進行
●研修視察でヨーロッパ各国の「彫の深さ」を実感
●バリア・フリー「百聞は一行(動)に如かず」から

◆第九次秋田市総合計画となる「あきた新世紀プラン」を審議する秋田市市政懇話会の五つの部会を開会。すべての部会に出席し、委員の皆さんと時には激論も交わしながらの「二十一世紀の秋田市」を描く作業。一万人の市民アンケート調査なども含め市民参加型まちづくり計画は進展中。
◆第五十二回都市計画全国大会が県民会館で開会。本市の都市計画は来年度から実施の第五次計画として策定中であるが、昭和二十年代からの継続行政として先駆的取り組みと評価される。角館町、横手市とともに、都市計画協会会長賞を受賞。駅東地区をはじめとした区画整理事業、街路事業は多くの関係者の献身的努力の結果であることに深く思いを致す。
◆インカ文明の発掘・収集家として世界に名高い天野芳太郎氏の孫にあたる、リマ市・天野博物館事務局長の阪根博さん(天野芳太郎氏長女の長男)が来秋。南米交流会主催の懇親会で再会。実は小生、阪根博さんが小学生の頃の家庭教師。彼はその後、早稲田大学に学び、リマの祖父のもとで博物館経営に当たる。久しぶりの「師弟再会」となったが、四十年以上の時空を超えて「先生」「ひろし」の口調となる。秋田の偉大な先覚・天野芳太郎氏の業績を何らかの形で市民に広く知っていただくことができないかを阪根さんとの再会を機に思案する。
◆市長職十年を機に、これまで温めていた政治や行政についての考えやプライベートな思いをまとめたものを出版。某新聞に「市長は政治家かもの書きか」と面白おかしく取りあげらる。しかし、今こそ政治家もきちんと自分の考えを書けなければならない時代。例えば、古くはかの文豪ゲーテは一国の宰相をつとめ、「希望」の著者フランスの作家アンドレ・マルローは、ドゴール大統領のもと、文部大臣となる。現代は「口舌の徒」だけの政治家のいかに多いことか。孔子もすでに明解に語っている「巧言令色鮮し仁」と。
◆県市町村振興協会主催、ヨーロッパ行政研修視察に参加。イギリス・スウェーデン・ドイツを駆け足で回る。それでも、国別にテーマを決め、ホームステイ、ファーム(農家)ステイをしたりの実地研修。これらヨーロッパ三国の「彫の深さ」とも言うべき雰囲気も味わう。ストラットフォードでシェークスピアの生家を観る。一五六四年に生まれた彼の家がほぼそのまま保存され、今でも世界中の観光客を集める。よく知られているシェークスピア「お気に召すまま」の第二幕の言葉『この世界はすべてこれ一つの舞台。人間は男女を問わずすべてこれ役者にすぎぬ。それぞれ舞台に登場してはまた退場していく。そして、その間に一人ひとりがさまざまな役割を演じる』。
◆今月の収穫・車いす生活者や身体に障害のある人達の「外さ行くDO!ウォーク」の催しが脳研向かいの児童公園で開かれ、市立体育館まで行進。催しに参加し、途中までのぼりを持って一緒に行進。道路等のバリアの状態がよくわかる。百聞は一見に如かずと言われるが、「百聞は一行(動)に如かず」の感。



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