第4節 市街地の開発整備


現状と課題
 平成7年度における本市の人口集中地区(DID)(*105)面積は、市街化区域の約68%にあたる約5,040ha、その人口密度は51.5人/haであり、平成2年度からほぼ横這い状態が続いています。近年の人口伸び率の鈍化が影響し、一部の新規大規模開発地においては、人口定着の遅れが懸念されています。
 また、全国的な傾向でもある中心市街地の空洞化が本市においても顕著であり、県都の顔としてのにぎわいが失われている状況です。
 今後は、郊外への住宅地の拡大を抑制し、既成市街地へ人を引き寄せるまちづくりが必要であり、そのためには、既成市街地の面的整備と道路網の整備などを通じて、魅力ある機能的でコンパクトな市街地を整備し、土地利用の更新を促すことが求められています。さらに、市民が親しみと愛着をもち、本市を訪れる人々に誇れる、美しく潤いのある都市景観を形成することも必要です。
基本方針
 県都の顔である市中心部のにぎわいを取り戻すため、秋田駅周辺地区まちづくり総合支援事業(*3)や市街地再開発事業(*83)を進め、高次の都市機能を複合した都心軸を形成し、中心市街地の再生と活性化をはかり、多様な都市機能が連携した、魅力的で活力ある市街地整備を促進します。
 また、既成市街地の居住環境を改善し、土地の利用増進をはかるため、土地区画整理事業(*158)の推進や地区計画制度(*131)を運用するとともに、民間事業者の行う宅地開発の適切な指導を行います。また、既成市街地を補完する秋田新都市の整備を促進します。
 さらに、歴史的、文化的資源を大切にするとともに新たな地域資源を活用し、都市的魅力を享受できる、美しく潤いのある都市景観の形成をはかります。
主な施策
1.市街地の再開発
  (1) 秋田駅周辺地区まちづくり総合支援事業
 秋田駅周辺地区において、駅東西間の活力あるまちづくりを進めるため、駅周辺に位置する鉄道跡地等大規模空閑地を有効活用し、民間と一体となって県都秋田市の玄関口にふさわしい、ゆとりとにぎわいのある都市環境を整備します。
 また、本地区の開発をリードする(仮称)拠点センター(*41)を秋田駅東口における市民交流の核施設として、民間と行政のパートナーシップによる様々な機能の集積整備を進めることにより、本地区内へさらなる高次都市機能の集積を促進し、新たな都市拠点の形成をはかります。
(2) 中央街区の再開発
 秋田駅西口における建築物の防災化、景観形成および商業機能拡充をめざした秋田駅前市街地再開発区域約3.1haについて、引き続き整備を促進します。
 また、魅力ある中心商業地再生の先導的役割を担わせるべく、中通一丁目地区(日赤・婦人会館跡地等街区)約2.9haの市街地再開発事業について、中央街区(*135)における文化交流と商業の核として、組合施行による都市型複合施設の建設を支援し、新たなにぎわいと集客力の向上をはかります。
 さらに、旧産業会館跡地周辺街区、旧保健所跡地街区等については、公共公益や福祉、住宅機能などを複合的に誘導していくため、土地の新たな利活用による良好な施設整備の再開発をめざし、地元関係地権者とともにその調査・検討を継続します。
(3) 既成市街地の再開発
 横町地区における都市計画道路・川尻広面線の拡幅整備とあわせた、沿道の共同開発や大町地区の活性化と良好な街並み形成をめざした民間再開発については、地元の意向を踏まえながら優良建築物等整備事業(*190)、商店街の集積区域整備事業(*94)などを段階的に促進し、中心市街地としての都市機能の向上を順次はかります。
 また、土崎、新屋地区等の中心部については、各種制度を活用し、居住環境や商業環境等の整備・改善をめざした調査・検討を進めます。
(4) 歩行者空間軸の整備
 秋田駅周辺および中央街区において、順次整備される複合施設間の滞在性、回遊性を確保するため、安全で快適な歩行者空間のネットワーク形成をはかり、まち全体のにぎわいを創り出します。
 秋田駅東西連絡自由通路に連結する仲小路については、地元関係者の意向を踏まえながら、モール化(*186)整備を検討し、中央街区を東西に貫く「ゆとり空間」を創造します。
 また、中通一丁目地区市街地再開発事業により生み出される空間を魅力的な緑道や広場として整備し、千秋公園から南北に連なるアメニティ軸(*27)を創出します。
2.土地区画整理事業
  (1) 秋田駅東第三地区
 秋田駅東第一・第二地区の北側に隣接する約45.5haの区域内における都市計画道路(*152)、区画道路(*57)、特殊道路(*150)、公園等を整備し、良好な市街地の形成をはかります。
(2) 秋田駅西北地区
 秋田駅の西北に位置する約5.8haの地区内に、都市計画道路、区画道路、特殊道路、公園等を整備し、機能的な市街地の形成をはかります。
(3) 秋田駅東拠点地区
 秋田駅東側に隣接する約10.3ha区域の土地利用を促進するため、東口駅前広場を含む都市計画道路、区画道路、公園等を整備し、秋田市の玄関口の一つにふさわしい街並みの形成をはかります。
(4) その他の地区
 土地区画整理事業の計画決定区域のうち、将軍野東地区約46.0haについては、土地区画整理事業による整備を基本としながら、当面、市道認定方式(*89)による整備を行います。また、その他未着手地区については、土地利用の現況や事業の効果等を見極めながら整備手法の見直しを含め検討します。
(5) 組合施行等の事業化促進
 都市の基盤整備は、公共団体による施行のみならず、民間による開発整備も望ましいことから、土地区画整理法に基づく個人および組合施行の事業化を促進します。
3.地区計画等の推進
   地区計画、建築協定、緑化協定を活用することにより、土地の有効利用をはかり、快適で潤いのある都市環境の形成や防災性の向上をめざします。また、一体性のある街並みや個性ある街並みの形成を誘導します。
4.秋田新都市開発整備事業の促進(*22)
   秋田新都市「御所野ニュータウン」は、既成市街地の都市機能を補完し、新しい都市の核となる住宅用地や産業用地そしてこれらに関連する公共公益施設等の整備を促進します。
5.都市景観の整備
   都市景観整備プログラム(*153)に基づき、城下町としての歴史的、文化的資源を生かしながら、高次の都市的魅力を享受できる、美しく潤いのある都市景観の保全、創出と整備をはかるため、都心軸など重点地区を指定し、計画的な景観整備を促進するとともに、電線類の地下埋設や建築物、屋外広告物等の指導を行います。また、良好な都市景観形成を推進するため、意識の高揚をはかりながら条例等を整備します。
重点テーマからの視点
1  高齢者をはじめとする交通弱者などすべての人が訪れやすく、育児や高齢者の社会参加をサポートする機能が集積された市街地の形成をはかります。
2  自然環境と調和した潤いある市街地を形成し、都市アメニティの向上をはかります。
3  すべての人にやさしい安全で快適な歩行空間ネットワークを形成し、市街地の滞在性、回遊性の向上をはかります。また、都市機能のひとつとして、さまざまな市民活動の拠点となる施設の導入を検討します。
4  中核市として、市民が親しみと愛着をもてる、美しく潤いのある都市景観の形成をはかります。
5  民間活力による未利用地の利活用と魅力ある都市機能の集積をはかり、交流機会増大による経済活動の活性化や新たな文化創造に向けた環境とにぎわいづくりを進めます。
6  
7  ITの普及を推進し、市民のリテラシー向上のため、(仮称)拠点センターの整備に際して市民が情報通信機器を体験・利活用できる機能の導入を検討します。

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